フットボールチャンネル

長谷部誠vsケイン、第2ラウンドの結末は?フランクフルトが直面する試練【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

ハリー・ケインが見せつけた違い


【写真:Getty Images】



 アウェイに乗り込んだフランクフルトは、序盤に相手のミスを突いて先制に成功する。DFエリック・ダイアーにMFイェスパー・ランドストラムがプレッシャーをかけてボールを奪うと、ペナルティエリア右から折り返す。このクロスはGKウーゴ・ロリスが一度弾いたものの、こぼれ球に反応したMFセバスティアン・ローデが左につなぎ、最後はMF鎌田大地が押し込んだ。

 トッテナムもすぐさま反撃に出る。20分、ケインが中盤まで引いてDFエメルソン・ロイヤルから縦パスを受けると、即座に反転して左へスルーパスを送る。これに抜け出したFWソン・フンミンが値千金の同点ゴールを奪った。

 この場面で長谷部はケインにピタリとついていったが、エメルソンからのパスを受けた瞬間に体を寄せ切れず前を向かせてしまった。ケインとしても前回対戦時の経験を生かし、判断をより早くし、長谷部が対応できない速さで動こうとしていたのだろう。いきなり違いを見せつけられた。

 同点に追いついたトッテナムはホームの利を活かして、一気に攻め込む。25分にはケインが強引なドリブル突破を仕掛け、ペナルティエリア内でフランクフルトのMFクリスティアン・ヤキッチに倒されてPKを獲得。これを自ら決めて逆転に成功した。

 36分にもソン・フンミンが追加点を奪ったトッテナムは、リードを2点に広げて後半へ。ハーフタイム明けもフランクフルトに試合の主導権を渡さず、攻勢を続けた。

 そして、59分にはソン・フンミンがフランクフルトのDFトゥタの退場を誘発。23歳のブラジル人センターバックは、すでにイエローカードを1枚受けているにもかかわらず無理な体勢で韓国代表FWを止めにいって2枚目のイエローカードを提示された。

 フランクフルトにアクシデントは続く。65分、ソン・フンミンの突破を止めようと試みた長谷部がタックルした際に左ひざを痛めてしまう。一度は立ち上がったものの、69分にローデらとともに交代となった。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top