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「俺だったら…」。ベンチで2得点を見たサッカー日本代表FW「あれが狙いでした」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by JMPA, getty images

日本代表で生き抜く絶対条件



 そういう意味で、27日のコスタリカ代表戦は前田にとって重要な試金石になる。彼らが大量7失点したスペイン代表戦を見ていると背後のスペースが空く傾向が強いため、前田にはチャンスが広がりそうだ。ただ、次戦の先発は浅野、もしくは上田綺世の可能性が大。背番号25はジョーカー的な起用になるだろう。

 限られた時間でどのような仕事ができるのか。それ次第で、前田のこの先の立ち位置や扱いは大きく変化する。「鬼プレス」という他のFW陣にはできない武器があるのだから、それを最大限生かしつつ、決めるべきところで決めるしかない。それが日本代表で生き抜く絶対条件だ。

 カタールW杯に参戦できたからと言って、先々の保証はない。そのくらいの危機感を持って、今後の試合に挑むべきだ。

 タイプの似た浅野が「ここ一番で決定的な仕事のできる男」へと変貌を遂げたのだから、前田にもできないことはない。貪欲に泥臭く前へ前へと突き進んでいくしか、彼のような選手がトップに上り詰める術はない。

 ここからの大ブレイクを、ぜひとも見せてほしいものである。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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