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「俺だったら…」。ベンチで2得点を見たサッカー日本代表FW「あれが狙いでした」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by JMPA, getty images

「2人がゴールした場面を見て…」


【代表撮影 JMPA/杉山拓也】



 初めての海外挑戦も当初は順調だったが、2020年に新型コロナウイルスが社会情勢を大きく変えた。家族の安全を第一に考えた前田は、帰国を決意する。ただ、そこで横浜F・マリノス行きを選択したことで新たな人生を切り拓くことに成功する。課題だった得点感覚に磨きをかけ、2021年はJ1で23ゴールをゲット。得点王に輝き、今年1月に2度目の海外挑戦のチャンスを手にしたのである。

 それまで前田の最前線起用に消極的だった森保一監督も、セルティックでのパフォーマンスを見て考え方をガラリと変更。最終予選終盤にA代表招集した際にはトップで起用するようになる。その流れが6月・9月と加速し、今回のドイツ戦代表スタメンに至った。

「4年でサッカー人生は変わりますし、なんなら1年で変わることを実感しました。自分は目の前の試合を一生懸命やるだけ。それが今につながっていると思います」と彼自身、感慨深げにこう語っていた。

 雑草ストライカーにとっては、この領域に到達しただけでもかなりのサクセスストーリーと言える。が、ライバルの浅野や同じ東京五輪世代の堂安がゴールという明確な結果を残しているのだから、絶対に負けてはいられない。

「2人がゴールした場面を見て『俺だったらよかったな』とは思いました(苦笑)。次またチャンスがあれば仕留められるように頑張りたい。ドイツ戦のオフサイドになったシーンができれば決められると思います」と本人は目をギラつかせた。

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