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最高の選手は誰!? サッカー日本代表、全26選手能力値紹介。各選手のプレースタイルを徹底解剖

サイドバック

伊藤洋輝(シュツットガルト/ドイツ)


【写真:Getty Images】


生年月日:1999年5月12日
市場価値:550万ユーロ(約6.6億円)
22/23リーグ戦成績:13試合0得点1アシスト
代表通算成績:7試合0得点1アシスト

 昨年夏にジュビロ磐田からシュツットガルトに移籍すると“予想外”のブレイクを果たし、今年6月シリーズで日本代表初招集を果たした。そして続く9月シリーズでもメンバーに名を連ねると、その勢いのままカタールワールドカップメンバーにも選出。シンデレラストーリーを完成させた。

 身長188cmと大柄で、左利きという希少価値のあるDFだ。体格を武器にしたデュエルや「空中戦」に強いことはもちろん、その巨体からは想像できないような「スピード」もある。さらに左足から繰り出すショート「パス」やロングフィードの精度に定評があり、センターバック、サイドバック、ボランチでプレー可能という柔軟性も兼ね備えている。

 ポジショニングや判断力に関してはまだ改善の余地があるため、「守備力」は「73」と今後への期待も込めて少し厳しい評価となった。それでも各項目でまずまずの数値を残しており、平均値「70」超えでトップ10入りを果たすことに。まだ23歳と若く、この先日本代表や欧州のクラブで経験を積めば、さらに順位は伸びてくるはずだ。

山根視来(川崎フロンターレ)


【写真:Getty Images】


生年月日:1993年12月22日
市場価値:170万ユーロ(約2億円)
2022リーグ戦成績:32試合3得点4アシスト
代表通算成績:15試合2得点4アシスト

 2020年に湘南ベルマーレから川崎フロンターレに移籍すると、Jリーグ屈指のサイドバックへと進化した。その活躍が認められ昨年3月に日本代表デビューを果たすと、その後は常連メンバーに。FIFAワールドカップカタール2022・アジア最終予選ではコンディション不良で不在となることが多かった酒井宏樹の穴を埋め、7大会連続7回目のW杯出場に貢献している。

 もともと攻撃的なポジションを務めていたということもあり、DFながら「攻撃力」の高い選手だ。大外はもちろんのこと、ハーフスペースを使う上手さも兼ね備えており、「ドリブル」での推進力も光る。日本代表通算15試合の出場で6得点に直接関与している事実が示す通り、フィニッシュやラスト「パス」の精度も守備的な選手としては思えないほどのものがある。

 ただ、サイドバックとしてはもう少し「守備力」を上げたいところ。1対1の場面で簡単に足を出してしまったり、判断を誤ってしまうことがまだまだ見受けられる。先日行われたカナダ代表戦でもディフェンス面での脆さを露呈し、後半アディショナルタイムに痛恨のPKを献上してしまった。ドイツ代表やスペイン代表といった格上相手と戦うには、まだ物足りない。

酒井宏樹(浦和レッズ)


【写真:Getty Images】


生年月日:1990年4月12日
市場価値:170万ユーロ(約2億円)
2022リーグ戦成績:20試合0得点3アシスト
代表通算成績:72試合1得点12アシスト

 日本代表史上最高の右サイドバックと呼び声高いのが酒井宏樹だ。ブラジルワールドカップまでは内田篤人が右サイドの絶対的存在だったが、同選手が代表から離れて以降は不動の地位を築いている。近年は年齢の影響もあってか怪我による離脱の頻度が増えている印象があるが、ピッチに立った際のパフォーマンスは相変わらず安定している。

 フランスやドイツで長く活躍し、多くのスター選手と対峙してきたこともあり、1対1の強さはもはや達人の域にある。相手との距離感が常に絶妙で、寄せの速さも素晴らしい。簡単に足を出すようなことはほぼなく、相手の出方をしっかりと見極めてから体を当てるなど、安心して見ていられる。また、185cmの長身を生かした「空中戦」も得意と、「守備力」はピカイチだ。

 ポジションを争うライバルである山根視来ほどの「攻撃力」はないかもしれないが、弱点というわけでもない。馬力のある前線への飛び出しから繰り出すクロスは精度が高く、一列前の選手を生かすための“おとり”になるランニングも光るものがある。能力値を見ても「60」以下になった項目はなし。この攻守におけるバランスこそが、日本代表で長く活躍できる理由だ。

長友佑都(FC東京)


【写真:Getty Images】


生年月日:1986年9月12日(36歳)
市場価値:40万ユーロ(約4800万円)
2022リーグ戦成績:30試合0得点0アシスト
代表通算成績:138試合4得点28アシスト

 セリエAの強豪インテルで主力としてプレーし、日本代表としても4大会連続となるワールドカップ出場を果たした。歴代日本人選手でもトップクラスの実績を持つ長友佑都は、2008年5月のデビューから14年以上に渡って日本代表で活躍している。

 インテル時代と36歳となった今を比較するのはさすがに酷だが、その特徴は当時と変わらない。「空中戦」でこそやや分が悪いものの、「守備力」や「スピード」に長け、豊富な運動量でサイドを上下動してクロスを供給する。昨夏からプレーするFC東京では右サイドバックも務め、状況に応じて内側にポジションを取るなど、「IQ」も決して低くはないところを見せている。

 両サイドでプレーできる万能性、そして圧倒的な経験値からくる「メンタル」の強さは日本代表に多くのものをもたらす。森保一監督からの信頼が揺るがないのも、そういった数値に現れない部分にも理由があるのかもしれない。

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