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Jリーグ 1年前

今季の鹿島アントラーズはガラリと変わる? 優勝目指すチームの変化と期待高まる新戦力【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

垣間見えた新たなバリエーション


【写真:Getty Images】



 始動間もない実戦ということもあり、20分×3本という短いゲーム形式だった。負傷離脱中の昌子や津久井、体調不良の染野らは欠場したが、1本目から新戦力の師岡が2ゴールをゲット。3本目にはレンタル復帰組の垣田も2点を叩き出すなど、新たなサバイバルのスタートという印象を色濃く残している。

 王者奪還に向けて絶対に克服しなければいけない課題は、昨季J1通算47得点という横浜、川崎に比べて見劣りした得点力をアップさせることだ。しかも、昨季はシーズン途中にセルクル・ブルージュに移籍した上田綺世が10点と彼への依存度が高かった。アルトゥール・カイキが9点、鈴木優磨が7点と健闘はしたものの、彼らを含めてさらなるゴール量産が必要なのは事実。そこは最重要テーマの1つと考えていい。

 南葛戦の鹿島は4-2-1-3(4-2-3-1)に近い布陣で戦っていたため、今季の前線は1トップとセカンドトップ(トップ下)という組み合わせが有力。それぞれの候補者を見ると、前者は知念、エレケ、垣田、染野、後者は鈴木優磨、荒木遼太郎、名古新太郎、土居あたりが陣取りそうだ。今回は知念・荒木、エレケ・鈴木、垣田・名古、あるいは垣田・土居の組み合わせで戦っていたが、ここから連係強化が進み、新たなバリエーションが生まれていけば、より多様な戦い方ができそうだ。

 特に垣田は注目株。練習試合の3本目に奪ったゴールの1点目は華麗なミドルシュートで、もう1点は相手DFのクリアボールが当たって入るという泥臭い形。いろんなパターンから得点を奪えるのは大きなストロングポイントだ。「自分はFWなんで点を取らなきゃいけないという目標はある。一昨年の徳島で8点、去年の鳥栖で6点を取っているので、今年は2ケタゴールを目指したい」と本人も意気込みを新たにした。

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