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Jリーグ 1年前

まさかの連敗、浦和レッズの現状とは?勝つために「苦手なプレーもしなければいけない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「恥ずかしい」MF岩尾憲が受け止める現状



「この2試合の敗戦、特に今日もそうですけど、試合が終わってゴール裏に挨拶に行く過程で、ブーイングが起こることにもっと恥ずかしいと思わないといけない」

 浦和サポーターの大声援は選手にとって後押しとなる。一方で、応援してくれている現状を当たり前に思ってはいけないし、現状に甘えていてはいけない。湘南ベルマーレや徳島ヴォルティスといった浦和とは異なる環境にいた岩尾は警鐘を鳴らす。

「力のなさを認めてああいう人たちに拍手してもらえるように、それがどんなプレーなのか、どんなトレーニングなのか、どんなパフォーマンスなのか、結果なのか考えて進まないと。いつまでたってもあの応援に甘えているだけなので、今日の結果も含めて重く受け止めてやっていきたい」

 リカルド・ロドリゲス前監督には徳島時代から厚い信頼を寄せられ、前任者が去った今季は完全移籍に切り替えて浦和に腰を据えた。プレーの節々にインテリジェンスを感じさせるピッチ上の指揮者は「負けに偶然はない」と言う。

「失点にも原因はある。試合で起きた現象が原因ではなく、どういう積み重ねをしてきたかに原因があるのでこういう負け方をする。本番だけできるというのはそう多くはないし、前節も含めて自分たちがまだ足りていないことを認めざるを得ない」

 ここまでの2試合を見る限り、判断が一瞬遅れて後手を踏んだり、選手の動きが重なってしまったりと、まだ「考えながら」プレーしている段階だ。その点で原理原則が浸透しているFC東京とマリノスとは大きな差があったのもある意味では当然だ。

 岩尾が言うように「積み重ねてきたものが試合に出る」という考え方もあるが、反対に「試合で出た現象から改善していく」という考え方もできる。そういった意味でこの2試合は最高の教材とも言えるだろう。指揮官はマリノス戦後にこう述べている。

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