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Jリーグ 1年前

京都サンガ「このままで終わるなよ」ブーイングを受けた指揮官の誠意と若さが持つパワー【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

松田天馬の手応えと課題



 実力の差があることは誰もが分かっていたことだった。ただ、格上だからといって自陣に人数をかけて、消極的に時間が経つのを待つだけの試合に価値はあるのだろうか。果たして、京都は勇猛果敢に挑むという決断を下した。

「マリノスに対して真っ向から向かっていこうということで少し並びや選手を変えました」と指揮官は3バックで臨んだ意図を説明する。「相手コートでできるだけプレッシャーをかけて、自分たちのボールを相手コートに押し込みたいという狙いで、チャンスを作れた場面もありました」と一定の手応えも感じている。

 その部分に関しては、松田天馬も同じ見方をしていた。

「立ち上がり10分のところは剥がされるシーンも多かったけど、ちょっとずつ手応えを感じてきて、ハマるようになってきた。練習で分析したことがうまくいったと思う」

 立ち上がりこそ後手に回り、セットプレーから先制点を許したが、時間の経過とともに京都はリズムを作れるようになっていく。曺監督は前半の途中に「立ち位置のところでちょっと後ろが余る状況だったので、余らずに行こうと選手に伝えた」という。松田も「後ろ(DF)が出てこられたのが大きい」と話した。

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