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Jリーグ 10か月前

「甘さがある」横浜F・マリノスが感じた痛み。町田ゼルビアの戦略にハマった原因とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

横浜F・マリノスは「準備不足」



「チームとしてメンタル的な準備ができていなかった。どんな大会、どんなメンバー、どんな相手、どこで戦おうが、こういう入り方をしてしまったらダメ。技術・戦術・フィジカルの全ての面で相手に上回られた」とマスカット監督も素直に認めていたが、いかにしてチームの総合力を引き上げていくのか。昨季J1王者は厳しい現実を突きつけられたと言っていい。

 さらに付け加えると、ビルドアップを徹底的に狙われ、最後まで打開策を見出せなかった。これは今後のJ1や秋から始まるAFCチャンピオンズリーグを視野に入れても頭の痛い問題になり得る。今後の対戦相手は今回の町田を参考にハイプレスでボールを引っかけるという「マリノス対策」を講じてくる可能性が高まったからだ。

「自分たちの構造自体はよかったと思いますけど、クオリティやタイミングが足りない。細かい部分をもっとやっていかないといけない」と若い山根陸も苦渋の表情を浮かべた。激しいプレッシャーをかけられても正確な組み立て・攻撃ができなければ、同じような敗戦を喫する恐れは否定できない。そこはしっかりと脳裏に刻み込むべきだ。

「今日感じた痛みを絶対に忘れてはいけない。しっかりと逃げずに乗り越えないと強くなれない。本当に全員が自分に責任を持って、歯を食いしばって前に進んでいきたい」

 キャプテン・喜田は言葉を絞り出した。その発言通り、今回の惨敗をムダにしてはいけない。

(取材・文:元川悦子)

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