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Jリーグ 10か月前

横浜F・マリノスに学ぶ親善試合の活用法。海外クラブの“金儲け”を役立てるには【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

横浜F・マリノスはどのようなスタンスで臨んだのか

マンチェスター・シティから得点を挙げた横浜F・マリノス
【写真:Getty Images】



 ケビン・マスカット監督は、これらの試合をエキシビションマッチとして扱い、有名人相手に縁の下の力持ちをピッチに立たせるのではなく、各試合でベストメンバーを先発させることを選択した。指揮官は8月6日に再開されるリーグ戦に最高のコンディションで臨めるように、選手たちがこの機会を最大限活用できるようにと主張していた。

「困難を取り除く方法は、単純に『浦和から逆算する』ということです」と、7月19日に日産スタジアムでセルティックに6-4で勝利した後に語った。

「次のJリーグの試合は浦和だから、そこから逆算するんだ。そうすれば、物事がもっと簡単にうまくいくようになる。突然、試合時間や、ボールを持っているとき、ボールを持っていないときの特定の状況について、何を達成したいかを明確に理解できるようになる」

 Jリーグと日本のサッカーをどれだけリスペクトしているかを明らかにする責任は、通常ヨーロッパのクラブにある。シティ戦後、マスカット監督は興味深いことに、ゲストの機嫌を損ねないようにする責任があると感じていた。

「私にとっては、この2試合をJリーグの残り13試合の準備として使った。今日とセルティック戦は、もちろん対戦相手に敬意を表する。今夜のシティも間違いなくリスペクトしている。もっと強い相手との対戦を、自分たちのプレーをより良くするために使ったんだ」

 このような試合で受け身のような役割を演じることを拒み、このように自分たちの利益のために戦うチームが増えるのは素晴らしいことだ。ヨーロッパのクラブは常に、こうした夏のアトラクションから最大の利益を得るだろう。しかし、彼らが日本国内のマーケットを利用している間、日本のクラブが自分たちのサッカーに役立てない理由はない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

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