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Jリーグ 7か月前

「そこしかない」ヴァンフォーレ甲府の決勝ゴール。ACLで繋がった3人のビジョンとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

感謝と責任、そして誇り



 キャンペーンに胸を打たれた他のJクラブのファン・サポーターが、国立競技場に集結してくる、という情報を甲府側も把握していた。長谷川に「試合を決定づけてこい」と指示を与え、国立競技場のピッチに送り出した篠田監督も、ゴール裏スタンドの光景に心を震わせていた一人だった。

「私たちは日本を代表してACLに参加している。なので、下手なゲームはできない。その責任感と誇りを今日は示そうと試合前に言ったことを、選手たちが必死になって表現してくれた。異なるチームのファン・サポーターを含めて、多くの方がスタジアムへ足を運んでくれたことに感謝しかありません」

 全6試合を戦うACLのグループリーグで、甲府は11月8日の第4節で浙江FC(中国)を、同29日の第5節ではメルボルン・シティを再び国立競技場に迎える。長谷川はこんな言葉を残している。

「今日勝ったことで、また国立競技場のACLに足を運んでくれる人が増えればいいな、と。僕たちのような地方の小さなクラブにとっては来てくれるだけですごく嬉しいし、ちょっとでも僕たちの試合に興味を持ってくれればさらに嬉しい。だからこそ、リーグ戦でも結果を残さなきゃいけない。これを継続できるように、今日以上にファン・サポーターが来てくれるように頑張っていきたい」

 もちろん感慨に浸ったのは一夜だけ。一夜明けた5日から甲府はモードをリーグ戦に戻し、敵地・町田GIONスタジアムに乗り込む8日の首位・FC町田ゼルビアとの大一番に全神経を集中させている。

 誰が出ても強さを発揮する好循環が脈打っているなかで、おそらくはブリーラム戦から先発メンバーが大きく入れ替わる。そのなかで「最近は体調も得点感覚もいい」と自信をみなぎらせている長谷川は、言葉通りに水戸戦、ブリーラム戦と公式戦で2試合連続ゴールを決めている。

(取材・文:藤江直人)

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