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Jリーグ 6か月前

ヴィッセル神戸主将の本音。「これほど残酷なことはない」悲鳴を上げた山口蛍の左膝【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

屈辱だった1年前のホーム最終戦「もう忘れました」

 自身が欠場した2試合を酒井がカバーしたように、お互いが助け合い、必死に穴を埋め合った。結果としてチーム力を高め合い、開幕節を除くすべての節で3位以内をキープしながら頂点を極めた。その証となるシャーレを真っ先に掲げたのは、言うまでもなくキャプテンの山口だった。

「正直、ちょっと複雑な気持ちではありましたけど、ただああいう経験ができるのは本当にごく限られた選手だけだと思うし、本当にチームメイトに助けられて掲げられたシャーレだと思うので、そこは本当にこれからも自分の記憶に残るものになるかなといまでは思っています」

 チーム側から正式にキャプテンに指名されていない件を再び持ち出しながら、思わず苦笑いを浮かべた山口は、サッカー人生で初めて掲げたシャーレの重みを問う質問にこう答えている。

「(想像よりも)重かったですね。はい」

 入院先を一時退院して、松葉杖姿で駆けつけた齊藤もシャーレを掲げるなど、感動的なシーンが続いた今シーズンのホーム最終戦。何とか残留を果たした後の昨シーズンのホーム最終戦を振り返れば、横浜F・マリノスに1-3で完敗を喫し、目の前でシャーレを掲げられていた。

「悔しかったけど、結果的に今年は自分たちがホームで優勝を決められた。なので、もう忘れました」

 2位で追走してくるマリノスが前夜にアルビレックス新潟と引き分け、勝てば即、優勝を決められる状況で迎えた名古屋グランパス戦で、一発回答とばかりに歓喜の雄叫びをあげた。11クラブ目のJ1リーグ優勝を果たした喜びとともに、山口は2023年11月25日を記憶にしっかりと刻み込んだ。

(取材・文:藤江直人)

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