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Jリーグ 5か月前

【柏レイソルコラム】「自分のミスで…」細谷真大が背負う責任。同僚の“愛ある苦言”、勝つ集団に脱皮するためには?

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「そこに悔いはない」細谷真大が振り返るシーン



 前半のシュート数は11対1。それだけ柏が攻め込んだが、0-0で試合を折り返すことになってしまう。ある意味、川崎もしぶとさと粘り強さを見せつけた格好だ。鬼木達監督も修正を図り、後半は劣悪なピッチ条件を加味して足元でつなぐ意識を改め、飛ばすボールを多用し始めたのだ。

 これで柏は少し押される展開になったが、鋭いカウンターは健在だった。この日最大の決定機が訪れたのは、69分。川崎のFKの流れから柏が自陣ゴール前でクリア。ペナルティエリア付近にいたマテウス・サヴィオが縦に蹴り出し、エース・細谷真大が反応して山村和也と大南拓磨の間を抜け出そうとしたのだ。この瞬間、細谷は大南と接触して倒れかけたが、プレーを続行してそのままドリブルで持ち込んで、GKチョン・ソンリョンとの1対1をモノにしようとした。しかし、タッチが長くなり、シュートを打ち切れないままキャッチされてしまう。

「倒れられたらたぶんDOGSO(決定的な得点機会の阻止)だったなと。あそこはホントに助かったなと。あれは試合を大きく左右したプレーだったなと思います」と対峙した大南は試合後、安堵感をにじませていた。細谷にしてみれば「相手を退場に追い込むよりも、自分が決めるんだ」という点取り屋の本能がプレーに表れたのだろう。

「1対1になれる状態だったので、決められると思って耐えましたし、そこに悔いはない。でも自分の技術ミスでチャンスを逃してしまった。ああいうところ(抜け出した後のドリブル)が大きくなってしまうのは、ちっちゃい頃から多かったんで、プロになった今もしっかり課題として向き合わなきゃいけないし、抜け出した後にもう少し冷静になるべきだったと思いました」と細谷はむしろDOGSOのことよりも、その直後のボールコントロールミスの方を大いに悔やんでいた。

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