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Jリーグ 3か月前

「より強い横浜F・マリノスを」山根陸の新たな挑戦。新ポジションで変わる役割「監督からは…」「違う視野や感覚」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images, Naoto Fujie

試行錯誤を繰り返す山根陸「やるべきことが多い」

【写真:Getty Images】



「ご存知のようにマリノスが遂げてきた変化は、ポステコグルー監督とマスカット監督が構築してきた形がある。自分もそれに沿ってチームを作る部分もあるし、一方で自分が来たことによってプラスアルファのいくつかをさらに植え込み、より強いマリノスを出していくことも考えている」

 始動時から基礎的な体力とフィットネスを徹底的に鍛え上げながら、宮崎キャンプに入ってからは戦術的なアプローチもスタートさせた。J2の横浜FCと大分トリニータ、J3の松本山雅と対戦したトレーニングマッチでは全勝しただけでなく16ゴールを量産。一方で失点も8を数えている。

 練習生が多く出場したセッションもあり、すべての数字を額面通りには受け取れない。それでも、攻撃力のアップが着々と進んでいるなかで、山根は試行錯誤を繰り返してきたと振り返る。

「チーム全体としては進んでいるかなと思うんですけれども、個人としてはもっともっと覚えることがあるというか、感覚というか、すべてにおいてやるべきことが多いと思っています」

 トレーニングマッチの主力組にはアンカーに喜田拓也と渡辺皓太が、インサイドハーフには山根や韓国代表歴のあるナム・テヒ、韓国Kリーグの強豪、蔚山現代と全北現代への期限付き移籍から2年ぶりに復帰した天野純が主に配置された。新境地へのトライを重ねるなかで山根は何を考えてきたのか。

「システムも変わりましたし、そのなかでポジションもひとつ前になって攻撃に関わる回数も多くなりました。必然的に相手ゴールに向かってのランニングであるとか、味方をサポートする位置や角度、自分のポジショニングの高さといったものが全然違ってきています。ただ、全部が全部というよりは、相手を見ながら変えられればもうちょっといいのかな、と思うところもあります」

 相手を見ながら変える点で、後方からのビルドアップがある。最終ラインの前にいる味方がアンカーだけとなれば、ビルドアップが停滞を余儀なくされるシチュエーションも生まれかねない。その際には昨シーズンまで培ってきた、リンクマンとしての強みを出してもいいと山根は考えている。

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