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Jリーグ 3か月前

「より強い横浜F・マリノスを」山根陸の新たな挑戦。新ポジションで変わる役割「監督からは…」「違う視野や感覚」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images, Naoto Fujie

「学びながら次に繋げる」貪欲に二兎を追う山根陸



「(指示に対して)忠実にプレーすることももちろん大事ですけど、それで自分のよさが消えてしまうのもよくない。そうであれば臨機応変に出入りすることも大事になってくるかもしれないし、その部分における塩梅といったものは、まだまだ探り探りの状況だと思っています。ただ、純くんやナムも落ちるときは落ちているので、そこの許容範囲みたいなものは探っていきたいですね」

 チームが基本にすえる戦い方に、自分にしか出せない色を上塗りさせていく。両方を実践するには、当然ながらさらに多い運動量も求められる。それでも山根は貪欲に二兎を追おうとしている。

「僕としては序列どうこうというより、まずは自分自身がやるべきこと、覚えるべきことに取り組んでいきたい。このシステムでできることを増やしながら、成長していくのが一番大事なので。本当にひとつひとつの積み重ねというか、しっかりと学びながら次に繋げる、という作業を繰り返していきたい」

 Jリーグが産声をあげた1993シーズンの開幕戦の再現となる、国立競技場での東京ヴェルディ戦が組まれた25日のJ1リーグ戦開幕節に先駆けて、14日と21日にはバンコク・ユナイテッド(タイ)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦が待っている。

 特に敵地に乗り込む14 日のファーストレグへ、キューウェル監督は照準を定めてきた。

「ACLのバンコク・ユナイテッド戦を最初のターゲットに置きながら、そこへ向けてチームを仕上げきた。今シーズンの公式戦は50試合を超える。チームの全員が準備できてないと、それを戦い抜くのは難しい。所属するすべての選手が、いつ誰が出てもいい状態にすることが非常に大事になってくる」

 インサイドハーフ候補の一人だった西村拓真が今月10日、スイス・スーパーリーグのセルヴェットFCへ期限付き移籍。山根にかかる比重はさらに大きくなった。FIFA U-20ワールドカップを戦い終えた後の昨夏からマリノスでの出場機会を増やし、急成長を遂げながら終盤戦では定位置をつかんだホープは、攻撃面でのタスクも担う新たなシーズンの開幕を誰よりも心待ちにしている。

(取材・文:藤江直人)

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