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アジア 3か月前

「韓国はパスから入らない」江坂任が明かす異国での苦労。「本当に難しい時期だった」「浦和レッズ時代も…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

江坂任が味わった苦しみ「出られない理由を真剣に考えた」


 彼が蔚山入りしたのは1年前の2023年1月。柏レイソルや浦和レッズで主力級として活躍していた男のKリーグ移籍は多くの人に驚きを与えた。ただ、蔚山は日本を熟知しているホン・ミョンボ監督が率いるチームで、日本人の池田誠剛フィジカルコーチもいる。そういった環境だけに、すぐにフィットして、高度な技術と創造性を発揮できると思われた。

 ところが、ふたを開けてみると、Kリーグ1年目は18試合出場・2得点3アシストという結果。試合に絡めない時期もあり、本人も想像以上に新天地への適応に苦しんだことを明かす。

「ケガもありましたけど、韓国に慣れるのに時間がかかった。最初の半年間は試合に出られないことも多くて、本当に難しい時期だった。自分が出られない理由を真剣に考えたし、韓国のサッカーにアジャストしつつ、どう自分を出していくかというバランスにも苦労しましたね。

 韓国はどっちかというと、パスから入らない。ベースのフィジカル、戦う部分から入っているクラブが多いので、そういう中から個のフィジカルの強さを備えた選手が出てくるのかなと。そこは日本では経験できない部分。自分の成長につながっていると思います」

 江坂は日韓の違いをこう表現したが、甲府対蔚山戦を見ていても、ベースの個の強さ、局面や球際の部分は確かに蔚山に分があった。もちろん、今の韓国サッカーはフィジカル一辺倒ではないし、テクニカルな側面もあるが、日本に比べると強さやタフさが目立つ。そんな環境に飛び込んだことによって、江坂が確実に進化を遂げているのは事実。30代の海外挑戦は多くのプラスを彼自身にもたらしていると言っていい。江坂は今後も個のレベルアップに邁進していく覚悟だ。

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