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Jリーグ 3か月前

「再構築」で浦和レッズが失った“強み”。ヘグモ新監督による変化。なぜリーグ最強の守備陣に綻びが生じたのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

なぜ大橋祐紀をフリーにしてしまったのか…



 左サイドに流れたシャドーの加藤陸次樹が右足でクロスを上げると、マリウス・ホイブラーテンの死角から前に飛び込んだ大橋祐紀が頭で合わせてゴールネットを揺らした。

 このときに注目したいのは、なぜ大橋は簡単にフリーになってしまったのかということだ。クロスを上げる場面でゴール前は3対2で浦和が数的優位となっており、大橋は左サイドバックの渡邊が、ピエロス・ソティリウにはホイブラーテンがついている。ただ、右サイドから中野就斗がファーに走り込み、ソティリウがファーに流れた隙に、大橋がニアに走りこんだ。

 渡邊は中野を気にしつつもソティリウをマークしなければならないが、ホイブラーテンがソティリウのマークを受け渡した瞬間に大橋に前に入られてしまった。

 ただ、このシーンはゴールを決めた広島を褒めるべきだろう。浦和の課題が見えたのは34分のシーンの方だ。

 左サイドのタッチライン際で東俊希がパスを受けるとともに、ソティリウが左サイドに流れた。東のクロスが相手に当たってソティリウの下へ転がり、ソティリウが下げたボールをダイレクトで満田誠が左サイドを駆け上がる東に送った。東はダイレクトでゴール前にクロスを上げ、大橋が頭で合わせる。シュートは枠を捉えられなかったものの、広島としてはいい形でフィニッシュまで持ち込んだシーンだった。

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