川崎フロンターレが「狙っていた」形
「この状況が苦しくない、と言ってもらえるのならば、ありがとうございますという感じですね」
試合を先に動かしたのは川崎Fだった。18分に脇坂が決めた先制ゴールに家長も絡んでいる。
敵陣右サイドの深い位置で得たスローインを、今シーズン初先発の元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスが身長186cm体重90kgの巨躯を駆使し、DFマリウス・ホイブラーテンを背負いながらペナルティーエリア内でキープ。預けられたボールを利き足と逆の右足で家長がゴール前へ折り返した。
DF渡邊凌磨の足をかすめて、コースを変えたボールを川崎FのMF遠野大弥と浦和のゲームキャプテン、DFアレクサンダー・ショルツが激しく争う。たまらずこぼれたボールに誰よりも早く詰めた脇坂が、ゴミスを先発させた狙いが的中した今シーズン3ゴール目だったと笑顔で振り返った。
「スローインからのああいった形は、チームとしても僕個人としても狙っていました。今日はバフェ(ゴミス)が先発で入って、味方へ落としてくれるパスのクオリティーが高くなる分、こぼれ球ではありましたけど、信じてあそこの位置へ入っていけた、というのはありますね」
ゴミスがいいボールを落としてくれると信じたからこそ、家長も迷わずにゴミスへ近づいていった。FW中島翔哉の絶妙のクロスをFW大久保智明が頭で決めた浦和が35分に同点とするも、エンドが変わった49分にはドリブル突破からDF佐々木旭が豪快なゴールを決めて再び川崎Fがリードを奪う。
「2点目を取った後に決定的なチャンスがいくつかあったなかで決め切れず、追いつかれてもおかしくない展開だったと思いますが、そこをしっかりと踏ん張り、全員が我慢強く耐えた結果が最後の3点目に繋がったと思っています。そういった意味でも、本当に気持ちがこもった戦いでした」
勝利をつかみ取るまでの展開を、川崎Fの鬼木達監督は選手の粘りを称えながら振り返った。そのなかで言及した「最後の3点目」を、アディショナルタイムの93分にカウンターから決めたのが家長だった。