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Jリーグ 2週間前

「少しビックリした」3位浮上、鹿島アントラーズの変化とは? 大型連休3連勝の原動力【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグ第12節、柏レイソル対鹿島アントラーズが6日に行われ、1-2でアウェイチームが勝利している。これで鹿島は大型連休3連戦を3連勝で終えることに成功し、順位を首位・FC町田ゼルビアと勝ち点3差の3位に上げることになった。その原動力となったのは。(取材・文:元川悦子)

▽著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

非常に難しいと分かって…」

鹿島アントラーズ
【写真:Getty Images】

 大型連休の3連戦ラストとなった5月6日のJ1第12節。首位・FC町田ゼルビアと2位・ヴィッセル神戸が連勝する傍らで、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島が敗戦。順位を落とす中、ガンバ大阪、湘南ベルマーレに連勝してきた鹿島アントラーズは上位戦線に加わる絶好のチャンスだった。

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 その相手は柏レイソル。細谷真大、関根大輝の両U-23日本代表コンビはコンディションを考慮され、ベンチ外となったが、観客席とピッチが一体化している三協フロンテア柏スタジアムの重圧というのは、やはり凄まじいものがある。

「このスタジアムで勝ち点を持って帰るのは非常に難しいと分かっていた」と鹿島のエースFW鈴木優磨も語っていたが、2023年4月9日の三協柏でのゲームも0−1で敗戦。サポーターが試合後、スタンドに陣取って抗議する事態に発展している。その苦い過去を払拭すべく、確実に勝利を手にする必要があった。

 ランコ・ポポヴィッチ監督は前節からスタメンだった樋口雄太を下げ、師岡柊生を起用。右FWに今季初先発させた。仲間隼斗、名古新太郎、師岡の2列目は強度と推進力を出せる組み合わせ。実際、彼らを軸に序盤から凄まじい勢いでハイプレスを仕掛けていった。

 それが開始わずか4分に結実する。相手のクリアボールを佐野海舟が頭で落として仲間に預け、リターンを受けると、前線を走る名古に鋭いスルーパスを出した。これを受けた背番号30は相手右サイドバック・川口尚紀をかわして左足を一閃。待望の先制点を奪ったのである。

「海舟に渡る前にスペースを確認できてて、海舟も見てくれてたんで、そこを信じて走り込んで、あとは落ち着いて決めました」と名古はしてやったりの表情を浮かべる。早い時間帯の一撃で鹿島は勢いに乗った。

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