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「別に“おとり”でいい」石原広教は浦和レッズのために限界を超えて走り続ける「それが自分のアシスト」

text by 加藤健一 photo by Getty Images

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浦和レッズDF石原広教

【写真:Getty Images】



「毎日注射を…」浦和レッズの右サイドを走り続ける石原広教


 明治安田J1リーグ第12節、浦和レッズ対横浜F・マリノスが6日に行われ、2-1で浦和が勝利した。湘南ベルマーレから今季加入した石原広教は、負傷した酒井宏樹に代わる形で右サイドバックでの先発起用が続く。無骨で愚直なプレースタイルで、浦和の勝利のために限界を超えても走り続ける。


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 66分に伊藤敦樹のゴールで浦和がリードを2点に広げたが、石原は歓喜の輪に加わることができなかった。最後は立つこともできず、担架でピッチを後にした。初先発となった試合からちょうど30日間で7試合。身体の限界はとうに超えていたようだ。

「もう毎日注射を打ってます。今日も練習前とハーフタイムに……。もう気持ちです。アドレナリンです」

 先月3日のFC東京戦で酒井宏樹が右膝を負傷し、石原に出番が回ってきた。そこから石原は公式戦7試合すべてに先発起用され、同24日のYBCルヴァンカップ・ガイナーレ鳥取戦では加入後初アシストをマーク。何より、過密日程の中でも先発起用され続けているという事実が、ペア・マティアス・ヘグモ監督からの信頼の証でもある。

「あんま覚えてない」「本当に今日は記憶がない」

 試合後に具体的なプレーについて質問されたとき、石原広教はよくこう返しているが、昨季まで在籍した湘南でもそうだった。煙に巻くつもりというよりは、本当に覚えて無さそうだ。そう思わせるくらい、がむしゃらに、無我夢中にプレーしている。

 まるで短距離種目の陸上選手かと思わせるようなスプリントは、石原の持ち味の1つと言える。必ずパスが出てくるとは限らない。むしろ出てこないことの方が多いかもしれない。それでも無駄走りをやめないのには理由がある。

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