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Jリーグ 3か月前

川崎フロンターレを救った大南拓磨のスーパープレー。救われた者、防がれた者が語るその瞬間「あのようなプレーを…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグ第13節、川崎フロンターレ対北海道コンサドーレ札幌が11日に行われ、ホームチームが3-0で快勝した。この試合の主役は前半だけで3点を奪ったバフェティンビ・ゴミスになるだろう。しかし、あわや失点の場面を救った大南拓磨のスーパープレーもまた、勝ち点3を奪う上で欠かせなかった。そのプレーを周りの選手はどう見ていたのか。(取材・文:藤江直人)


誰もが失点覚悟。その時現れた救世主

川崎フロンターレ
【写真:Getty Images】

 目の前でシュートを打たれた川崎フロンターレのゴールキーパー、上福元直人は観念しかけていた。

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「ちょっと難しいというか、もう厳しいかなと…」

 次の瞬間、視界の右端に救世主が飛び込んできた。誰だったのかは、そのときはわからなかった。

「自分の横を誰かが駆け抜けていった、と思ったら…」

 川崎Fが1点をリードして迎えた40分。自陣からのロングパスに抜け出した、北海道コンサドーレ札幌の近藤友喜がそのままペナルティーエリア内へ侵入。上福元と1対1になった直後に、意表を突くプレーを選択した。上福元の頭上を越すループシュート。34歳の守護神を含めて、誰もが失点を覚悟した。

 ただ一人、センターバックの大南拓磨だけがあきらめていなかった。同点とされる大ピンチを札幌のスローインに変えた、文字通りの神懸かったカバーリングを演じたヒーローはしかし、試合後の取材エリアに姿を現さなかった。最終的に3-0で快勝した報告を受けてから、川崎市内の病院へ向かっていたからだ。

 札幌のFWキム・ゴンヒとの接触プレーで、相手の後頭部で顔面を強打。裂傷を負って激しく出血した大南は担架でピッチ外へ運ばれ、パリ五輪出場権獲得とアジア制覇を手土産に帰国したU-23日本代表DF高井幸大と75分に交代した。直後の場内アナウンスで、脳しんとうによる交代だと発表された。

 怪我が大事に至らないでほしいと祈りながら、上福元が感謝の思いを大南へ捧げた。

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