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Jリーグ 1か月前

「鹿島戦も苦ではなかった」東京ヴェルディ、山田楓喜はさらにタフな男に。過酷なアジアカップで学んだこととは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「鹿島戦も苦ではなかった」

東京ヴェルディに所属するMF山田楓喜
【写真:Getty Images】



「アジアカップに行って、うまくいかない状況でもやることは沢山あると学んだ。実際、準決勝のイラク戦でも相手が右を警戒してきて難しかったんですけど、それを経験していたんで、今回の鹿島戦も苦ではなかった。チームとしてもローテーションしながら攻撃面のバリエーションを増やしていかないといけない。前半はそう考えながら戦っていましたね」と山田は何とか打開策を見出そうともがきつづけたという。

 迎えた後半。またも開始早々に右CKから植田直通に打点の高いヘッドを決められた東京Vは3点のビハインドを背負うことになった。そうなれば、普通のチームなら諦めムードになってしまっても不思議はない。

 けれども、今季の東京Vはここから凄まじい粘りを発揮できる集団だ。山田自身は60分に交代を強いられたが、彼と代わって登場したチアゴ・アウベスが左サイドに陣取り、積極果敢にドリブル突破を見せるようになってから流れが一変した。

 69分に齋藤功佑がまず1点を返すと、そこから怒涛の攻めを披露。81分に木村がPK献上を取り返す2点目をゲットし、後半ロスタイムにはリスタートから見木友哉が値千金の同点ゴールを奪うことに成功した。終わってみれば3−3のドロー。ベンチから味方の反撃を見守っていた山田も心から安堵したという。

「負けで終わるより、引き分けで終われたことはすごく大きいと思います」と本人も嬉しそうに話したが、東京Vにしてみれば10戦無敗という結果は前向きに捉えていいはず。これで勝ち点を17に伸ばし、13試合終了時点で11位。16年ぶりのJ1でこの結果というのはまさに大健闘に他ならない。

「この勝ち点1っていうのをムダにしてはいけない。次の試合(ガンバ大阪戦)は中2日で、厳しい日程ではありますけど、カタールでそれを経験してきてるんで、全然大丈夫です」と山田は先を見据えていたが、ここからもう一歩前進して、東京Vを勝ち切れる集団へけん引することが若きレフティに課されたタスクと言っていい。

 ここまで8引き分けという結果に象徴される通り、今季の東京Vは泥臭く戦えるチームではあるものの、勝ち点3を逃しているケースも少なくない。山田がゴールやアシストでチームに決め手をもたらせれば、もっともっとポイントを稼げるようになっていくはず。彼自身の価値を引き上げる意味でも、ここからが本当の勝負。パリ五輪滑り込み、A代表へのステップアップを目指す22歳のレフティモンスターのさらなるブレイクが待たれるところだ。

(取材・文:元川悦子)

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