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Jリーグ 2か月前

「鹿島戦も苦ではなかった」東京ヴェルディ、山田楓喜はさらにタフな男に。過酷なアジアカップで学んだこととは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグ第13節、鹿島アントラーズ対東京ヴェルディが12日に行われ、3-3のドローに終わっている。この試合で先発したサッカーU-23日本代表のMF山田楓喜は前半、相手の厳しい対策を前になかなかボールを持てず。チームもHTまでに3失点するなど苦しんだ。それでも本人は「収穫でしたね」とポジティブに振り返る。その理由とは。(取材・文:元川悦子)

▽著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

「『山田楓喜単体』を見ていただきたい」

東京ヴェルディ
【写真:Getty Images】

 2008年以来のJ1復帰を果たした今季、なかなか勝ち切れない戦いが続いていた東京ヴェルディ(東京V)。だが、5月に入ってからはサガン鳥栖、ジュビロ磐田に連勝。城福浩監督が植え付けている粘り強くタフに戦うスタイルが定着しつつある印象だ。

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 こうした中、12日に迎えたのが敵地・鹿島アントラーズ戦。両者はJリーグが発足した93年のチャンピオンシップで顔を合わせており、まさにリーグ創世記をけん引した存在だ。16年ぶりの黄金カード復活に合わせ、試合前には当時の両10番であるラモス瑠偉とジーコ両氏によるトークショーも行われたほど。彼らが躍動していた頃を現在のメンバーは知る由もないが、東京Vのアカデミー出身者であるキャプテン・森田晃樹らは新たな歴史を作ろうと燃えていたに違いない。

 4〜5月にかけて行われたAFC U-23アジアカップカタール2024に参戦していた山田楓喜にとっては、この試合がJ復帰戦となった。左利きのスペシャリストは大会のターニングポイントとなった4月25日の準々決勝・カタール戦で先制弾を挙げ、勝利に貢献。さらに5月3日のファイナル・ウズベキスタン戦で決勝点を叩き出し、パリ五輪出場権獲得の原動力となった。それだけに注目度が一気にアップしたと言っていいだろう。

「『中村俊輔(横浜FCコーチ)2世』みたいな言われ方をしますけど、やっぱり自分は誰かの後釜じゃなくて、『山田楓喜単体』を見ていただきたいというのはあります。俊輔さんのような素晴らしい左足の持ち主と比べられるのは嬉しいけど、僕は全く別の選手だし、全く違う特徴を持っているので」と本人も4日深夜の帰国時の取材で語気を強めていたが、今回の鹿島戦から新たな一歩を踏み出したいところだった。

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