FWの2選手が欠場の非常事態に、「チームの意図を感じていました」
「アジアカップから帰ってきてからの話は、チーム側と特にしていませんでした。でも、もし試合に出たとしてもしっかりと結果を残せるように、自分にできることをやっていたつもりです。体を鍛えるというよりは、ちょっとでも疲れを取り除こうと。いま思うと、準備していてよかったですね」
中国の地では、準決勝までの全5試合でピッチに立った。すべて中2日で行われた過密日程。そのうち先発出場が4回を、プレータイムは393分を数えた。疲れていない、といえば嘘になる。石井も心の片隅で「試合に出る、出ないにしろ、やらないんじゃないか……」と別メニュー調整を予想していた。
しかし、帰国から一夜明けた28日に予想はいい意味で裏切られた。マリノス戦の前日練習で、石井はチームメイトたちとともにフルメニューを消化した。畑大雅が「あいつは『きついですよ、やばいですよ』と言っていました」と苦笑した前日練習を、石井はポジティブに受け止めていた。
「試合で使いたい、早くコンディションを戻してくれ、というチームの意図を感じていました」
迎えたマリノス戦。絶好調に映った湘南は、実は非常事態に直面していた。浦和レッズとの前節で先制ゴールとなる今シーズン2点目を決めながら、ハーフタイムに交代していた福田翔生が欠場。さらに浦和の選手に中指を立てる行為が確認されたルキアンも、クラブから出場自粛処分が科された。
「ベンチのメンバーを見たら、フォワードは自分ともう一人だけだったので。どこで出るにしてもやるべきプレーは変わらないし、中国から帰ってきたばかりといっても、去年、一昨年から智さん(山口智監督)やチームメイトとは長くやってきたので不安な気持ちもなかったし、自信をもって臨めました」