三竿健斗は「出番の少ない選手の苦しみがよく分かる」
ご存じの通り、三竿は昨夏、1年半ぶりに欧州から戻ってきた経験豊富な選手。「僕はこのチームで優勝するために帰ってきた」と断言する。だが、昨季はコンディションが思うように上がらず、チームも夏以降に失速。10月にはランコ・ポポヴィッチ監督の解任というショッキングな出来事もあった。
その後の中後雅喜監督(現コーチ)体制で終盤6戦を戦い、無敗で乗り切ったものの、タイトルには手が届かなかった。
大いなる悔しさを覚えた2024年を糧に、三竿は鬼木新体制の鹿島で新シーズンを迎えた。宮崎キャンプからボランチ競争は熾烈で、キャプテン・柴崎岳、昨季Jリーグベストイレブンの知念慶、若手の有望株・舩橋佑、そして昨季は主に2列目で使われていた樋口も参戦し、日本代表歴のある三竿と言えどもレギュラーを確約されているわけではなかった。
本人も状態を引き上げ、鬼木スタイルに適応していかなければいけないと危機感を感じていたに違いないが、2月の開幕を前に負傷。そこからリーグ6試合の欠場を強いられた。
3月末のヴィッセル神戸戦でようやくベンチ入りを果たしたが、上記の通り、チームはこれを機に急激な下降線を辿ることになる。リーダー格の背番号「6」としては、苦境を打開すべく躍起になっていたはずだ。
「その時期、僕もメンバー外練習や試合翌日の練習に参加して、若い選手と一緒にやっていましたから、出番の少ない選手の苦しみがよく分かる。若い選手が伸び伸びできるようにサポートするのが自分の仕事。僕自身もしっかり練習することで、彼らの成長につながると思ってやってきました」と三竿は言う。