「コンディションが上がっているとすごく感じている」
その献身的姿勢が、主力級の大量離脱というアクシデントが起きた4月中旬以降に生きた。鬼木監督が岡山戦前のミーティングでカツを入れたのも大きかったようだが、荒木や舩橋、津久井、ターレス・ブレーネルらが試合に出るようになり、三竿自身も復調。この横浜FC戦では三竿と舩橋がダブルボランチを組み、苦しい展開だった前半にハードワークを披露するなど、攻守両面を支えたのである。
「最低限0−0で後半を迎えられたところがよかったと思います」と背番号6が言うように、前半の45分間を耐えたからこそ、後半のゴールラッシュにつながった。
後半開始早々の49分にチャヴリッチが自ら得たPKを決め、先制に成功。すると、22分には再びチャヴリッチの鋭い突破から最後はエース・鈴木優磨がネットを揺らす。2−0とリードを広げた。
さらに、77分にはダメ押しとなる3点目を奪うことに成功する。発端は相手FKのこぼれ球を三竿が奪って、ドリブルで中盤まで持ち上がったプレーだ。
そこから右を走る松村優太に展開。背番号「27」がドリブルで前進し、最前線に上がっていたブレーネルに預けた。次の瞬間、飛び込んだ三竿がリターンパスを受けて左足を一閃。これは守護神・市川暉記が弾いたが、横浜FCのDF山崎浩介がゴールに蹴り込み、オウンゴールとなった。
「自分でもコンディションが上がっているとすごく感じている。クリアするよりも、ひとつ耐えて相手の前に入って攻めるっていうところを意識できて、マツがうまく運んでくれた。途中から出た選手たちがギアを上げてくれたと思うし、運がよかったのかなと思います」
背番号6がお膳立てした一撃で、鹿島は勝利を確実にし、最終盤には16歳・吉田を送り出す余裕も生まれた。