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Jリーグ 1か月前

「みんな、しんどかった」山本悠樹の目元はうるんでいた。ACLEで見た川崎フロンターレの「あるべき姿」【現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 江藤高志 photo by KAWASAKI FRONTALE

ジェッダで山本悠樹が最後に残した言葉

「ピッチに立ってた分。3試合とも立たせてもらった分、最後、手が届かなかったというのは、非常に申し訳ないなと思います」

 謝るようなことではないのだが、それでも謝罪の言葉が出てくるのが山本らしかった。

 勝っても負けても時間は刻々と過ぎていく。川崎には帰国後、すぐにJリーグの舞台が待っている。そんな現実に対し「ちょっと時間が欲しいなというのがあります」と苦笑いする山本だったが、応援を続けてくれたサポーターには言葉を尽くして、次のようなコメントを残してくれた。

「遠いところまで来てくださった方もたくさんいると思いますし、日本から応援してくださった方とか、いろんな状況で、たくさんの応援は必ず選手には届いてましたし。それを力に変えて、あとひとつ結果というところまで結び付けられなかったのが本当に申し訳ないんですけど。この悔しさを多分忘れることはないだろうし。それは僕以外も含めて。川崎が取れてないタイトル。取りに来れるように。また、できることからやっていけたらいいかなと思うので、一緒に戦ってもらえれば嬉しいです」

 最後の最後に力尽きた川崎の、大会を締めくくるコメントとしては心にしみる言葉だった。

 残念な結果に終わってしまったが、歴史からは忘れ去られる運命にある準優勝チームを唯一拍手で迎えてくれるのが川崎を応援するサポーターだ。そのサポーターのためにも胸を張って日本に帰ってほしいと思う。川崎のJリーグでの戦いの日々は、国立で11日に開催される鹿島アントラーズとのアウェイマッチで再開される。

(取材・文:江藤高志)
 
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【了】

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