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Jリーグ 2か月前

「やれている感覚がある。ただ…」清水エスパルス、弓場将輝には叶えたい夢がある。故郷を離れ「僕もその勢いに…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「僕の責任」。なぜ0-3の完敗を喫したのか

 元日本代表GKシュミット・ダニエルにアクシデントが発生し、急きょプロ初先発を告げられた2年目の19歳、ピサノ・アレックス幸冬堀尾も至近距離からの一撃に体勢を崩している。弓場のJ1初ゴールで同点か、と思われた直後。3バックの左の佐藤瑶大が必死にブロックに飛び込んできた。

 シュートは佐藤がとっさに伸ばした右足で弾き返され、名古屋のカウンターへ変わった。気持ちを切り替えて自陣まで全力で戻ってきた弓場は、プレーが途切れた瞬間に天を仰いだ。佐藤の姿は視界に入っていなかった。それでも、たとえ利き足ではなくても決めなければいけない場面だったと再び自らを責めた。

「流れがずっと悪く、改善もできなかったなかで、前半の最後に僕にビッグチャンスが来た。あそこでひとつ取って前半を終えるのと、リードされたまま終えるのとでは全然違ってくる。ああいうところで決めなかったのもあって、後半の立ち上がりでああなってしまった。本当に僕の責任だと思っています」

 名古屋のマンツーマンディフェンスに苦戦を強いられ、38分に稲垣祥に先制点を決められていた清水だったが、弓場のこのシュートは清水が放った最初のシュートだった。迎えた後半。ギアを入れ直した名古屋に、清水守備陣のミスも重なり、48分に和泉竜司、50分には椎橋慧也に連続ゴールを決められた。

 3点差をつけられてから5分後の55分。清水の秋葉忠宏監督は最初の交代カードで、弓場に代えて矢島慎也を投入した。55分で幕を閉じたJ1で2度目の先発を、今月13日に23歳になる弓場が振り返る。

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