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Jリーグ 2か月前

「やれている感覚がある。ただ…」清水エスパルス、弓場将輝には叶えたい夢がある。故郷を離れ「僕もその勢いに…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

故郷・大分を離れたプロ5年目。変化を望んだ理由とは

「点を取りにいかなければいけなかった状況で、どちらかというと守備面で存在感を発揮できる僕よりも、(攻撃の)テンポを変えられる慎也くんのほうがチャンスは増える。そこは僕もわかっていたし、妥当な交代だと思いましたけど、一人のサッカー選手として悔しいかといえば、やはり悔しいです」

 大分市で生まれ育った弓場は、中学生年代から大分トリニータのアカデミーに所属。左利きという特徴を見込まれ、左サイドバックでプレーしていた中学3年生のときに、たまたまボランチの選手がいなかった状況で白羽の矢を立てられたのが、いま現在につながるターニングポイントになった。

 2種登録された2020シーズンをへて、2021シーズンからはトップチームへ昇格。2022シーズン以降の3年間で、リーグ戦で94試合に出場した昨シーズンのオフに弓場はステップアップを模索した。

 地元クラブの大分への愛着は深い。それでも、将来的にはヨーロッパでプレーする夢を成就させるためには、5年目となる今シーズンで大きな変化がほしい。自分のなかで期限を区切り、オファーを待っていたなかで、ギリギリになって昇格組の清水から声がかかった。

 清水の反町康治ゼネラルマネージャーは、完全移籍で獲得した弓場を公式HP上でこう紹介した。

「左利きでボックス・トゥ・ボックスの活動量を誇る弓場選手は、素晴らしいゲームコントロールができる選手であり、守備時の重心の低いボール奪取能力には目を見張るものがあります」

 弓場自身も利き足に関係なく、中盤の守備面でフランス代表のエンゴロ・カンテ、攻撃面ではベルギー代表のケヴィン・デ・ブライネを憧れの存在にあげながら、満を持してステップアップした。

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