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Jリーグ 2か月前

「彼は1年目から…」サンフレッチェ広島、中村草太は“あの先輩”の背中を追う。似た境遇も「そこが圧倒的に違う」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

中村草太は「確かにマコと似てますね」

 後半になって多少ギアは上がったが、なかなかシュートまで至らない。ジャーメインも「正直、広島に来て、一番体も動かなかったゲームだし、内容もよくなかった。ボールもなかなか収まらずに厳しかった」と厳しい表情で語った。結局、後半のシュート数も4本のみ。そのうち2本を中村が放ったが、ネットを揺らすことはなかった。

 そういう時こそ、広島はチーム最大の強みである堅守で逃げ切らなればいけない。最後尾に位置する日本代表GK大迫敬介、キャプテン・佐々木翔らを中心にしっかりと虎の子の1点を守り切った彼らは、辛くも1-0で勝利。2連勝で5位浮上を果たしたのである。

「今日出たシャドウもそうですし、一時期ジャメさんと組んでいた2トップもそうですけど、とにかく相手に脅威を与えるプレーヤーになることを考えています。そういうシーンを数多く作り出すことが、この世界で生き抜くためには必要だと思う。どんどんチャレンジしていきたいですね」と中村は試合後、先を見据えていたが、湘南戦の数少ないチャンスに絡んでいたのは、この小柄な大卒ルーキーだった。それは紛れもない事実と言っていい。

 一瞬のスピードでゴールチャンスを引き寄せられる鋭さを持ったアタッカーだからこそ、スキッベ監督も複数ポジションで重用するのだろう。その使い方を見ていると、2022年に大卒1年目でブレイクした満田誠(ガンバ大阪)と大いに重なる。満田も指揮官に積極起用され、右WB、シャドウ、FW、ボランチを見事にこなし、1年目でE-1選手権の日本代表の座も射止めている。

 大迫も「確かにマコと似てますね。勢いもあるし。草太は今のチームにとって間違いなく必要な選手。スピードで、個で打開できる力もあるので、これからもゴールを量産してくれると思います」と太鼓判を押していた。

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