
北中米ワールドカップ、グループリーグのベストイレブンは?【写真:Getty Images】
FIFA北中米ワールドカップはグループリーグが終了し、決勝トーナメントに進出する32ヵ国が出そろった。手に汗握るグループリーグ72試合のなかで、傑出した成績を残した選手は誰なのか。今回はグループリーグで輝いた選手の中からベストイレブンを選出し、紹介していく。[5/6ページ]
FW:リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)

アルゼンチン代表のリオネル・メッシ【写真:Getty Images】
生年月日:1987年6月24日(39歳)
所属クラブ:インテル・マイアミ(アメリカ)
今大会成績:3試合6ゴール0アシスト
代表通算成績:202試合123ゴール64アシスト
カタール大会の歓喜から4年、史上最高の選手は今大会もサッカーファンの想像を上回る活躍を見せている。
2022年、35歳のリオネル・メッシは自身初のW杯優勝を果たした。フランス代表との、まさに死闘を戦い抜いた末の栄光だった。
サッカー選手最高の栄誉を手に入れたメッシは、2023年夏にインテル・マイアミへと移籍。多くのファンは、カタール大会がメッシのラストダンスだったと思っただろう。
しかし、同選手はその後も代表活動に参加。以前と変わらないパフォーマンスでコパ・アメリカを制し、コンディションはより一層高まっている。
こうして迎えた北中米ワールドカップ、メッシはさらなる伝説をつくりあげることとなる。
初戦のアルジェリア戦では、バイタルでパスを受け、そのまま左足を振り抜き先制点をあげると、ミドルシュートのこぼれ球を押し込み2点目。勢いそのままに、味方のリターンをゴール左隅に流し込み6回目のW杯にして初のハットトリックを達成したのだ。
このハットトリックはW杯史上最年長記録となり、同時にミロスラフ・クローゼが持つW杯最多得点記録にも並んだ。
いきなり記録尽くしの試合となったが、メッシはまだ止まらない。次戦のオーストリア代表との一戦では、前半のうちにゴールを挙げW杯最多得点記録単独トップに。後半終了間際にも得点を記録し、2試合5ゴールの離れ業をやってのけた。
アルゼンチン代表はボールを積極的にメッシに集め、相手ももちろん彼を警戒しマークが集中する状況。こうした最大限の警戒がなされる中、当然のようにゴールを決める39歳は、まさに異次元としかいいようがない。
ヨルダン戦では途中出場直後にFK弾を沈め、今大会3試合連続ゴール。前回大会からはW杯において7試合連続の得点となり、これも史上初の記録となった。
メッシは決勝トーナメントでどのような伝説を残すのだろうか。彼の雄姿は見逃すことができない。
FW:アーリング・ハーランド(ノルウェー代表)

ノルウェー代表のアーリング・ハーランド【写真:Getty Images】
生年月日:2000年7月21日(25歳)
所属クラブ:マンチェスター・シティ(イングランド)
今大会成績:2試合4ゴール1アシスト
代表通算成績:52試合59ゴール7アシスト
この舞台を待ちわびていたかのように、怪物は北中米ワールドカップで大暴れしている。
ノルウェー代表のアーリング・ハーランドは、若くしてレッドブル・ザルツブルクやボルシア・ドルトムントで驚異的な成績を残してきた。
195cmの体格に見合わない爆発的なスピードを持ち、威力満点のシュートや抜群のゴール前の嗅覚で得点を量産する、まさに新時代のストライカーとして期待されていた。
そんなハーランドはマンチェスター・シティに移籍し、前評判以上の活躍を見せる。初年度の22/23シーズンにプレミア記録となるリーグ戦36ゴールを記録し、UEFAチャンピオンズリーグ優勝を含むトレブルを達成。その後もプレミア在籍4シーズンで3度の得点王に輝いている。
こうして完成した怪物ストライカーは、ノルウェー国民の夢をも叶えることとなる。ノルウェー代表は1998年フランス大会を最後にW杯から遠ざかっており、同大会出場は国民の悲願だった。
国民の期待に応えるように、ハーランドはW杯欧州予選で8試合16ゴール2アシストという離れ業を見せる。予選全試合で得点を量産した同選手の活躍によって、ノルウェーは久しぶりのW杯出場の切符をつかんだのだ。
W杯初戦の相手はイラク代表。左サイドからのクロスに長い足を目いっぱい伸ばして合わせ先制点を奪うと、相手GKへ高速プレスを仕掛け、ミスを誘って追加点。献身的な守備が光るハーランドの良さが存分に出た試合だった。
2戦目のセネガル代表との一戦では、W杯の舞台でマルティン・ウーデゴールとのホットラインが開通。多くのサッカーファンが待ち望んでいた瞬間が訪れ、決勝トーナメントにも進出した。
久しぶりのW杯となったノルウェーを決勝トーナメントに連れて行った功績は計り知れないものがある。サポーターの掛け声に合わせ、ヴァイキングの船頭はその船をどこまで連れていってくれるのだろうか
FW:キリアン・エンバペ(フランス代表)

フランス代表のキリアン・エンバペ【写真:Getty Images】
生年月日:1998年12月20日(27歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
今大会成績:3試合4ゴール2アシスト
代表通算成績:101試合60ゴール42アシスト
今大会で、キリアン・エンバペは自身の能力を再度世界へ見せつけることとなった。
前回大会、W杯決勝でハットトリックを記録するなど、8得点で大会得点王となったエンバペ。その活躍は誰もが認めるところだが、2024年夏のレアル・マドリード加入以降、エンバペに対しての風当たりが強くなっている。
その原因は、クラブでのパフォーマンスだ。CFとして起用される同選手は守備意識が低く、それがたびたび問題視されることとなった。
もちろんシュートの威力や精度はワールドクラスであり、2季連続でリーグ戦25ゴール以上を記録しているものの、チームが2年連続無冠に終わったことから、「エンバペの全盛期は終わった」という声も散見されるようになった。
フランス代表でも、バロンドールを獲得したウスマヌ・デンベレとの共存問題もあり、エンバペを聖域として固定起用することに懐疑的な声があったのは事実だろう。
しかし、そんな心配は杞憂に終わった。
開幕戦となったセネガル代表との一戦。前半こそ安易なボールロストがあったものの、後半に入ると相手の一瞬の隙を見逃さず、ポケットに侵入し先制点をゲット。後半終了間際には衝撃的なミドルシュートを突き刺し、エンバペここにありといったところを見せつけた。
続くイラク代表戦でも、利き足ではない左足での強烈フィニッシュで得点、グループ最終戦のノルウェー戦では、ポストプレーでデンベレのハットトリックをお膳立てした。
これでW杯通算成績は17試合16ゴール5アシストとなった。現在エンバペが27歳であることを考えると、この先アンタッチャブルな成績を残すことは十分に考えられる。
大舞台に強いW杯の申し子は、自身がセンセーショナルな活躍を見せたロシア大会の再現を、虎視眈々と狙い続けている。