「喋らなくても記事書けるし、喋んなくてもいいかなと」
「俺、W杯が終わってから代表のことに関しては喋ってなかったのに、最近の新聞では、だいぶ最近喋ったかのように書いてあって、なんか怖いなあと思いました。
(自分の気持ちとは違う形で載っている?)まあ、そうですね。そうやって読む人は読んで、僕にメールをくれたりもしましたけど、本心ではないので…」
今回の11月2連戦(14日・ホンジュラス戦=豊田、18日・オーストラリア戦=大阪)で、ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表に初招集され、合宿初日だった10日のトレーニングを消化した後、内田篤人(シャルケ)は開口一番、メディアへの不信感をストレートに口にした。
「僕は喋らなくてもみなさん記事書けるし、喋んなくてもいいかなと。なんでみんな書いたのかなってことを言いたくて…」と彼はやりきれない気持ちを吐露したのである。
全ての発端は、2014年ブラジルW杯最終戦・コロンビア戦(クイアバ)後の発言だった。
ペン記者の取材では「シャルケの方がいいプレーできるんだけどね。そこは僕、ずっとこの4年間、悩みでしたけどね。そこが分かっていたら大して(悩まない)」とクラブと代表のギャップに苦しんできたことを初めて打ち明けたが、その後のテレビ取材で「代表を退くことをずっと考えていた」と爆弾発言。
それが「代表引退示唆」と大々的に報じられることになったのだ。
翌日のイトゥでは「代表を辞めると断言したわけじゃない。この大会が終わったらちょっと考えようかなということ」と迷っている気持ちを素直に話した。
「このまま終われば負け犬のような気がするし。でもやめるふうに持っていくのはやめてよ。考えますって言っただけだから」と、再び4年後にチャレンジしたい思いもにじませており、本人の胸中は混沌とした状態だった。