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パワープレーそのものが問題ではない――。ザック采配2つの疑問。不可解な遠藤先発落ちと交代枠余り

text by 西部謙司 photo by Getty Images

余っていた交代枠

パワープレーそのものが問題ではない――。ザック采配2つの疑問。不可解な遠藤先発落ちと交代枠余り
大迫を香川に代えて、岡崎を1トップにして攻勢をかけた【写真:Getty Images】

 日本は交代枠を余らせたまま試合を終えている。大迫を香川に代えて、岡崎を1トップにして攻勢をかけた。だが、もはやギリシャは4-4-1から4-5-0の状態になっていたのだから、もう1枚攻撃のカードを切ってもよかった。

 後方に今野と内田を残し、山口に代えて齋藤学か清武を出す手はあったと思う。吉田をトップに上げたのは当然だが、単純なパワープレーにするよりもドリブルでサイドから崩すこともトライしてみたほうが効果的だったのではないか。

 ちなみに、吉田をトップに上げてのハイクロス攻撃はコートジボワール戦でも行っている。ザッケローニ監督はハイクロスを否定し、そのために豊田を選出しなかった。言っていることと、やっていることが矛盾しているという批判が起こりそうだ。

 だが、吉田を上げてハイクロスを送り込む作戦は間違っていない。残り時間が少なくなれば、バルセロナのようなチームでも放り込む。ただ、日本の場合は60分から30分間も放り込むつもりはないので、そのためのFWも必要ではなかった。

 5分間なら、吉田を上げればいい。だから何も矛盾はない。ただし、放り込むやり方に慣れていない感は否めなかったが。

 それよりも、それ以前からハイクロスを何本も入れていたのは疑問だった。長友のクロスを大久保がヘディングシュートしたほかは、ことごとく長身のギリシャ守備陣に跳ね返された。仮想ギリシャのテストだったキプロス戦で、ハイクロスの効果が薄いのはすでにはっきりしていたはずだ。攻撃に工夫が足りず、チャンスを量産できなかった。

【了】

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