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堅守だが意外な脆さも。勝利必須のギリシャ戦、攻略のカギはどこに? ポイントは遠藤の先発復帰

text by 桑村健太 photo by Getty Images

流れの中からの失点はゼロ。得点力は低い

 ギリシャ代表のスタイルを一言で表現すれば、「堅守」という言葉になるだろうか。その戦いぶりは欧州予選でも見事に発揮され、予選10試合で喫した失点はわずかに4。これは予選で10試合を戦った計48チームの中で最少タイのもので、彼らのディフェンスの堅実さを示す客観的な数字である。

 この4失点のうち3失点はボスニア・ヘルツェゴビナとの一戦で失ったものだ。グループに恵まれたという指摘は確かにあるが、それ以外の9試合では実に1失点しか被っておらず、格下相手に取りこぼすような甘さを彼らに期待することはできないのだ。

 ちなみに、4失点の内訳はセットプレーとPKが2つずつ。ルーマニアとのプレーオフ2試合での2失点もセットプレーとオウンゴールであり、ギリシャは結局、予選を通して流れの中から点を許すことがなかった。

 また、もう一つ特徴的であるのは得点力の乏しさである。ギリシャは欧州予選10試合で12得点しか奪うことができなかった。これは本大会行きを決めた欧州の13チームの中でクロアチアと並び最少で、アルメニアやモルドバといった予選で敗退した下位国と同じ数字であった。

 得点パターンで目立ったのは、相手からボールを奪取し、相手の守備陣形が整わないうちに攻め落とすカウンターだった。前線に素早い選手はおらず決して「速攻」と言えるほどのものではないが、総得点の実に半数近くをこの形でゲット。

 また、バイタルエリアに侵入して崩すシーンは少なく、一度アウトサイドに逃げそこからのクロスを中で仕留めるというパターンが5つあった。予選の中で最も多かったのは1-0というスコアである。

 ここまでギリシャの失点と得点について見てきたが、それだけでもギリシャがどういったチームであるかはおおよそ検討がつく。そう、ギリシャは非常に分かりやすいチームなのだ。

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