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堅守だが意外な脆さも。勝利必須のギリシャ戦、攻略のカギはどこに? ポイントは遠藤の先発復帰

text by 桑村健太 photo by Getty Images

生命線となるのは中盤の5枚

 ギリシャが基本とするシステムは4-1-4-1である。欧州予選の半ばから採用し、今では定番となっている。このチームの戦術的な鍵は中盤の5枚で、ここでボールを奪取できるかが生命線となる。

 一般的にギリシャは「守備的なチーム」だと思われている。しかし、ベタ引きしてゴール前を固めてくるような中東的なサッカーはしない。ハードワークができる中盤4枚を高い位置に配置し、彼らのプレッシングとポジショニングで相手を網にかけ、アンカーの所でボールを奪う。

 システムや狙い自体は昨年11月に対戦したベルギーとやや被るが、中盤は彼らよりアグレッシブに働き、カウンターにはスピードがない。こうした組織的な守り方で、ギリシャは予選10試合のうち8試合でクリーンシートを達成したのである。

 ちなみに、ギリシャは国内の二大勢力であるオリンピアコスとPAOKの連合チームだ。主力のほとんどがどちらかのチームに縁がある。かつてはパナシナイコスというチームが日本でも知られていたが、今大会に臨む23名で同チームに所属する選手は1名で、やや勢いを失っている現状がある。

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