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吉田、ギリシャ戦へ強い決意「後ろから安定感をもたらしたい」。パワープレーにも意欲「俺、得意だもん」

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「パワープレーを止めるって、一言も言ってないでしょう」

 ギリシャは4-3-3の布陣をベースにしており、攻撃陣には高さのあるサマラスらがいる。セットプレーの迫力もC組の中でトップクラスと言っていい。守備のリーダーである彼にはやるべき仕事がたくさんある。

「向こうも負けられない状況で必死になってくる。守備が非常に堅いチームなので、とにかく立ち上がりの入り方は大事。失点しないことですね。先に先制すれば相手も出てこないといけない状況になるので、そうなれば、こちらが主導権を握れる可能性は高くなると思います。

(高さを前面に押し出してくる相手?)それに対しては、まずはいいボールを蹴らせないことと、ファーストアタッカーがしっかりボールに競りに行くこと。セカンドボールを拾うこと。

 それはギリシャかどうかは関係なく、個人的には僕も、森重(真人)くんも、今ちゃん(今野泰幸)も、普通に蹴ってきて、毎回負けるとは思わないです。前回できなかった後ろからチームに安定感をもたらすことはやりたいですね」

 コートジボワール戦では終盤に前線に上がってパワープレー要員となったが、彼自身は意外に悪くなかったという前向きな感触を持っているようだ。

「パワープレーを止めるって、一言も言ってないでしょう。そういう記事を見たけど。ただ、高い選手が選ばれてないだけで、(みなさんが)勝手に捨てたって思っているだけでしょう。

(監督は日本人は空中戦が得意じゃないって言っている?)俺、得意だもん(苦笑)。

(マイクがいても放り込まなかった?)それは監督に聞いてください。(あの時間で準備していた?)いや、蹴ろうと思って、上がれって言われたから上がっただけです」

 吉田はそう言うが、パワープレーに頼る前に流れの中のゴールで決着をつけるのがベストだ。彼が専念すべきは最終ラインを守備面で支えるとともに、ビルドアップの起点となっていいパス出しを見せることだ。屈強なDF陣をそろえるギリシャ相手にコートジボワール戦のような放り込みが通じるほど、W杯は甘くない。

【了】

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