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コロンビア戦プレビュー。難敵相手に厳しい条件。クイアバの気候、スタジアムの劣悪なピッチコンディションを乗り越えて奇跡を起こせるか

text by 神谷正明 photo by Getty Images

気温30度超のクイアバ。日中は日差しも強く後半ガス欠の危険性も

 日本の一部選手たちは「別に問題ない」と気にしていない素振りだったが、公開された15分間の前日練習ではボール回しをしているだけでも芝の状態が悪化していくのが見て取れた。

 今野泰幸は「今までのなかでは一番荒れそう。激しく動けばめくれる感じ。すべりはしないけど、ボコボコになっていきそう」と正直だ。日本のように繊細なパスワークで攻撃を仕掛けるチームには不利な状況と言えるだろう。

 クイアバの気温も日本にとっては嫌な条件だ。試合が行われる現地時間16時はまだ日が落ちていない時間帯で、気温は30度を超える。

 選手たちは「湿度がないだけまし」と高温多湿のレシフェやナタルよりもやりやすいと話すが、気温自体は2会場よりも高く、日の光も強い。暑さによって余計な体力の消耗を強いられることに変わりはない。

 条件は相手も同じだが、日本のようにアグレッシブに前からプレスをかけ、複数が連動して攻撃を展開していくチームは運動量の確保がパフォーマンスを発揮する前提条件となるため、勝利が必須と言っても最初から全力で飛ばし続けると後半にガス欠を起こす危険性がある。

 コロンビアという地力のある強敵から2点以上を奪うというノルマ、お世辞にも良好とは言えないピッチ状態、そして体力を奪っていく気温。日本代表はそういった厳しい条件と向き合いながら決勝トーナメント進出への道を切り開いていかなければならない。

 奇跡はめったに起きないから奇跡と言われる。だが、たまに起きるから奇跡でもあるのだ。

「奇跡は信じない人のところには起きない」と川島永嗣は言った。選手たちは奇跡が起きるのを本気で信じて決戦に挑む。

【了】

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