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しゃべりすぎた日本代表。対戦国密着取材から見えたメディア対応の違い。記者への厳しい環境がサッカー文化の醸成促す

text by 清水英斗 photo by Getty Images

選手とメディアが接する機会自体が少なかった対戦国

 ところが筆者が取材した3つの対戦国の場合、根本的に選手とメディアが接する機会自体が少なかった。

 たとえばコートジボワールの場合、試合前日と当日を除くと日本戦の3日前に記者会見を行い、サブリ・ラムーシ監督、コロ・トゥーレ、ディディエ・ゾコラの3人がメディアの代表質問に答えたのみ。他の日には、練習の冒頭15分間を公開するだけで、一切のインタビューは出来なかった。

 一方、ギリシャに関しては、毎日宿泊ホテルなどで記者会見が行われたが、出席するのは監督と選手1名か、あるいは選手2名のみ。コートジボワールと同じく、冒頭15分を公開するだけで、ミックスゾーンや個別インタビューはない。

 コロンビアに至っては、日本戦3日前の記者会見でファリド・モンドラゴン、クリスティアン・サパタの2人が出席したが、2日前に関しては、終日メディア対応なしで練習の冒頭15分を含めてすべて非公開とされ、敷地にすら入ることが出来なかった。

 彼らは日本に比べると、メディアの前に出てくる機会自体が圧倒的に少ない。単純にチームの集中を促す環境という面で言えば、日本代表はあまり良い環境とは言えないが…。

 この取材対応の違いを、良い悪いと決めつけるのは難しい。日本はまだまだサッカー文化の礎が弱い。この4年間、ザックジャパンが空前の盛り上がりを見せた背景には、メディアによって露出が増えたことが大きかった。

 また、選手たちは大会期間中に連日の取材に応じたとはいえ、前述のとおり、コンディションへの配慮は充分に行われていた。その点で悪影響があるとは考えられない。

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