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日本代表 10年前

アギーレジャパンでSBに求められる役割とは? ザック時代と異なる3つのポイント

text by 河治良幸 photo by Getty Images

その2:短時間でアップダウンできる機動力

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FC東京で攻守の切り替えに磨きをかけてきた太田【写真:Getty Images】

 ポゼッションにこだわらず、効率的な縦志向の攻撃を好むアギーレ監督のスタイルにあって、サイドバックのアップダウンはかなり激しくなる。守備時は後方でバックラインをしっかり形成し、攻撃ではカウンターなら一気に攻め上がり、後ろからビルドアップする場合はアンカーが落ちて3バックになるため、中盤の位置まで上がる。

 そこから前線に起点が出来れば素早く駆け上がりチャンスに絡むが、味方がボールを失えば素早く戻らなければならない。アップダウンはサイドバックの基本原則だが、それがより激しく行われることになる。今回の4人は淀みない流れにも対応できる機動力と運動量の持ち主だが、攻め上がりのタイミングを逃すとチャンスが消え、帰陣が遅れればチームはピンチに陥る。

 どのポジションもイージーなミスは許されないが、常にポジションが大きく動くサイドバックはボール局面だけでなく、切り替わり時のちょっとしたミスが失点につながってしまう。だから肉体的にも精神的にも90分に渡って安定している必要があるのだ。

 そうした動きに関しては、長友と酒井高は能力を実証済だが、イタリア人のフィッカデンティ監督が率いるFC東京で攻守の切り替えに磨きをかけてきた太田と攻守にソリッドなスタイルの鹿島で主力を担う西が、日本代表で機動力と安定感の両方を示せるかは注目ポイントだ。

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