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日本代表 8年前

【識者の視点】小林悠がハリルJを活性化させる理由。“背中を取る”FWが代表にもたらす大きな可能性

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ポテンシャル大。今こそ小林悠を見よ!

「とにかく怪我しないこと」をテーマに掲げ、筋トレや体幹トレーニングなど、体のケアをして今季に臨んでいるという小林は「もちろんハリルさんのもとでやるのは初めてですし、呼ばれながらずっと怪我してきたので、しっかり自分の良さを見せられればいい」と語る。

 動き出しには自信を持っているという小林だが、ハリルホジッチ監督が求める“デュエル”(フランス語で決闘を意味し、1対1やコンタクトプレー強さなどを表す)の部分も意識している。

「広島戦はちょっとボールを失う場面が多くて、そこに取り組んで、今回の試合(湘南戦)はそんなに失っていないと思うし、空中戦でもしっかりおさめられたと思うので、前回の反省を活かすことができたと思います」

 ハリルホジッチ監督のもとで「どんな練習をするのか楽しみ」という小林がもう1つテーマにしているものがある。アギーレ前監督の時に実感したのは「もっと自分でボールを持って仕掛けられる選手にならないといけないと思っていましたし、まだまだ足りない部分でもある」ということ。

 良いコンディションを維持しながら、持ち味である動き出しに加えて、強さや仕掛けという部分も加えていければ欧州組が主力を形成する攻撃陣に割って入り、最終予選の重要なオプションになるだけのポテンシャルは十分にあると見ている。

 今回のFW陣は少なからず二次予選の残り2試合のメンバーに選ばれる可能性がある。常連の1人である武藤嘉紀(マインツ)が2月のハノーファー戦で靭帯を負傷し、日本代表の欠場も確実視されているのだ。

 もちろんCFではオランダのフィテッセでゴールを量産するハーフナー・マイク、ウィングでは日本人選手にとって“鬼門”だったスペインで奮闘する乾貴士(エイバル)といった実力者もライバルになるが、小林の定着は日本代表の攻撃にポジティブな変化をもたらしうるだけに、今回の合宿から要注目だ。

【了】

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