レドナップ率いるヨルダン代表を迎えた一戦
3月29日、豪州はシドニーにグループ最大の難敵ヨルダンを迎えた。ヨルダンを指揮するのは、3月に入ってから急遽、監督に就任したプレミアリーグの名物監督、ハリー・レドナップ。
アウェイで苦杯を舐めさせられた相手とのホームの対戦で、勝てば最終予選進出が決まるという大事な試合と多少なりとも話題性のあるカードにもかかわらず、この日の観衆は24,975人。45,000人を収容できるアライアンツ・スタジアムには空席が目立った。
FFAは「グループの勝敗の帰趨がほとんど決していたから」「イースター休暇直後の平日の夜だから」など、幾つかの言い訳は用意しているのだろうが、この観客動員はあまりに寂しすぎる。
タジキスタン戦で温存されたケーヒル、クルーズ両選手が入り、多少顔ぶれが変わったこの日のイレブン。キャプテンのジェディナクが前の試合で痛めたふくらはぎのケガが回復せず欠場するも、その穴は、ベテランのマーク・ミリガン(バニーヤス)がしっかり埋めた。
中盤の攻撃的な位置では、ルオンゴに変わってロギッチが先発。右サイドバックには、Aリーグでの好調が買われてメンバーに残ったジョッシュ・リズドン(パース・グローリー)が先発した。
やはり、ケーヒル、クルーズ、レッキ―が並ぶ前線には破壊力がある。前線の3人と攻撃的MFのムーイ、ロギッチのコンビネーションも非常に洗練されていて、そこかしこから得点の匂いがする。もう少し歯ごたえのある相手と思われていたヨルダンに対しても、前半だけでクルーズ3アシスト、ケーヒル2得点と格の違いを見せつけた。
後半に入ってからは、ロギッチが「俺を忘れるな」と言わんばかりの得点を見せ、ムーイに変わって入ったルオンゴもすぐに得点するなど、切磋琢磨しながらのMFのレギュラー争いは過熱の一途。DF陣はほぼ破たん無くヨルダン攻撃陣をさばいていたが、終了間際に無用な失点でクリーンシートを逃すなど、まだまだ詰めの甘さが見られたのは今後の課題として残る。