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バンビーノ・石山大輔さんが語る、サッカー大国ブラジルと鹿島、ジーコと大野俊三【INTERVIEW】

シリーズ:FChan TV text by 中山佑輔 photo by Asuka Kudo/ Football Channel, Getty Images

サッカーが入り込んでいるブラジルのスラング

―――マラカナンに2回行かれたんですね。マラカナンってどのような雰囲気でしたか?

 ブーイングがすごかったです。シュート打たへんかったり、パスしてしまうともうすぐブーイング。これだけ言われてたら決めなアカンってなるな、これは日本にないなって思った。

 シュート打てへんとか、ドリブルの勝負をせんとかにめっちゃ厳しい。そういう人たちやから、トリッキーなプレーするやつがめっちゃ好かれる。

―――そういう雰囲気が選手を育てる面はありますよね。ブーイングとは違いますが、ブラジルで聞いた言葉で印象的なものはありますか?

 スラングが多いんですよ。「めちゃくちゃピンチや」っていうのを「コーナーキックに逃げる」って言うんですよ。で、「頑固者」を「ゴレイロ(GK)」っていうんすよ。そして「俺の人生終わったな」っていうのを「ペレが死んだ」って言う(笑)。サッカーが日常の会話のなかに入って来てる。

―――それはわからないですよね。スラングって教室で勉強するようなものでもないですし。

 いっつも「ハッ?」ってなってた。日常会話も2ヶ月目くらいから聞こえてきたんですけど、スラングは難しかったですね。「お前GKやな」とか言われてもね(笑)。そういうふうに日常にサッカーが入って来てるんですよね。あと女の子の気を惹くことを「パスを出す」って言うんすよ(笑)。「お前あいつにパス出したらしいな」って。俺は恥ずかしくて使えなかったけどね、「話しかける」って言っちゃう(笑)。恥ずかしくて使えないじゃん、「ペレが死んだ」とか(笑)。

―――「ペレが死んだ」はハードル高いですね(笑)。もともとブラジルが好きだったんですよね。何かきっかけがあるのでしょうか?

 もともとは鹿島アントラーズがめっちゃ好きで、ジーコがずっと好きだったんです。コップとかは全部Jリーグでしたよ。小学校の文集には「絶対ブラジルに行く」って書いてた。

―――カズさんみたいですね。

 カズ好きやったなー。今も好きやけど。今でもブラジルではカズを知ってる人がいるんですよ。ほんとすごいと思う。

 ブラジル行って思ったんですけど、こんなところに15歳で単身で来てプロテスト受けて本当にプロになっちゃう人なんているんだって。その辺でサッカーやってるやつだってめっちゃうまいんすよ、速いし。このレベルの奴がプロになってないところでプロになってるっていうのは本当すごいなって。

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