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代表 8年前

豪州側から見た日本戦。元代表選手、現地記者らが語る「ライバル」との大一番

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki , Getty Images

二分された記者の見解。不安定な気候も影響?

 チーム事情や現代表選手たちのことを直接知る元代表選手ではなく、メディアはこの大一番をどう見ているのだろうか。地元メディアの記者たちに話しを聞くと、「引き分けの可能性も…」という声が挙がった。

 有力誌『Four Four Two』オーストラリア版のクレメント・ティト記者は「いつも油断ならない相手」と日本代表の印象を語る。

「ここ数年は毎回ドローでもおかしくないくらい拮抗した良いゲームになる。オーストラリアの前線への放り込みは危険だ。それに我々は勝利を必要としている。だけど、またギリギリの試合をしてドローになるんじゃないかとも思っている」

 ティト氏は最近の戦績を踏まえ、ホームかアウェイかに関係なく1点が勝負を分ける試合になると分析した。一方で、「日本はUAEに負けたよね。あの試合が重要だったのは明らかだ」と未だ無敗のオーストラリアに若干のアドバンテージがあることも付け加えている。

 若手記者の目線とは違った見解を述べたのは、高級紙『オーストラリアン』でサッカー部門のチーフを務めるレイ・ガット記者だ。

 長年の経験を持つベテランは「(日本は)いつも強い。W杯にも何度も出場しているし、非常に優れたチーム」としながら、「難しいゲームになると思う。勝った方がこの予選を突破する、というくらい重要」と11日の試合が持つ意味を語った。

 そして「オーストラリアにとってはホームだ。単刀直入に言えば(オーストラリアが)勝つと思う。多くの選手がこの場所でプレーした経験がないんじゃないか? 日本にとっては難しい試合になるだろう」と楽観的な見方を示した。

 現在メルボルンは春で全般的には過ごしやすい気候だが、天候は不安定で予測しづらい。気温が25度近くまで上がる日もあれば、10度前後まで下がる日もある。9日の午後は嵐のような突風が吹き荒れ、夕方は強めの雨に見舞われた。試合当日の夜は気温5度近くまで冷え込むという予想もある。

 気象条件は両チームにとって同じだが、不安定な気候にうまく対応できるか、慣れているかといった部分には個々の差が出てくる。日本にとってはもうひとつの敵と言えそうだ。

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