ザックJ、最後に挫折した「日本化」。「自分たちのサッカー」の致命的な弱点【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコの躍進を受けて、復活の感がある4-4-2システム。Jリーグで頻繁に採用される一方で、意外にも日本代表ではそれほど使われてこなかった。だが、ザッケローニ監督時代は3-4-3をオプションとして備えながらも、4-4-2の変形システムである4-2-3-1をベースにチームを作っていった。オシム時代より続く「日本化」の方針にも継続性があったが、致命的な弱点を抱えたままW杯に臨むことになる。(文:西部謙司)

2016年10月26日(Wed)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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「アジアのバルセロナ」

ザックジャパンの中心選手だった本田圭佑(左)と遠藤保仁(右)
ザックジャパンの中心選手だった本田圭佑(左)と遠藤保仁(右)【写真:Getty Images】

 アジアカップを制して「アジアのバルセロナ」と称賛された日本代表は、「日本化」に成功していた。それは岡田武史監督が途中まで進めていた無理のない日本化の発展形だったといえる。

 アルベルト・ザッケローニ監督はさまざまなアイデアを提示し導入したが、強制的な形をとっていない。すでに日本にあるサッカーを選手たちが望む形で発展させていこうとしていた。パスワークを生かしたポゼッション主体の攻撃、相手を押し込んでの高い位置でのプレッシング、その循環で試合を作っていく手法は日本選手の特徴を生かし、弱点を補う点で理にかなったものでもあった。

 2013年にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップは、日本の真価を問う機会だった。ブラジル、イタリア、メキシコと同居したグループは、本大会なら「死のグループ」と呼ばれていただろう。ザッケローニ監督は、就任以来ほぼ固定していたメンバーによるチーム作りの決算として大会を位置づけていた。

 結果は3戦全敗。緒戦のブラジル戦は完敗に近かったが、イタリア、メキシコとの試合には3-4、1-2と1点差。いずれも日本らしいプレーは示せていた。しかし、この大会ではっきりしたのは、このままでは本大会も勝てないだろうということだ。

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