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代表 7年前

【識者の眼】オマーン代表は“仮想サウジ”に適任か? 両国の共通点と違いを徹底解剖

text by 河治良幸 photo by Getty Images

オマーンとサウジアラビア。共通点と違いは?

ロペス・カロ監督
かつてはサウジアラビア代表も率いたオマーン代表のカロ監督【写真:Getty Images】

 9月には欧州のアイルランドとアウェーで親善試合を行い0-4で敗れたが、その時の先発メンバーから7人が来日しており、彼らはそのまま日本戦でも先発する可能性が高い。

 エースのアル・マクバリ、セカンドトップのアル・カルディ、ボランチのアル・サーディとアル・ヤエヤイ、守備の要であるセンターバックのマルブークというセンターラインは崩さず、サイドはフレッシュな選手にチャンスを与えることが予想できる。

 自由にプレーさせれば危険な選手はいるし、パターンもあるが、後ろからのビルドアップの質はそこまで高くないため、日本がしっかり前線からタイトにプレッシャーをかけていけば守備面でもそれほど危険なシーンは作られないかもしれない。ただ、そこで少しでもルーズになれば攻撃陣の個人能力とカロ監督が意欲的に取り組んでいると思われるサイドアタックの餌食になる危険はある。

 サイドからチャンスの起点になるのはサイドハーフのサレハで、左右のサイドハーフを担えるのが持ち味だ。縦のドリブルと正確なクロス、機を見たドリブルからのミドルシュートなどは注意が必要。加えて相手の守備をサイドに引き付け、縦の2トップに前を向いて決定的な仕事をさせることもできる。このあたりはサウジアラビアの要注意選手であるナワフ・アル・アビドに通じる部分がある。彼をSBがいかに封じるかは守備面の鍵になる。

 前線に張るアル・マクバリは縦の突破力に優れ、強引な仕掛けでファウルをもらうシーンも多い。セカンドトップのアルハルディは万能性の高い選手で、状況に応じて1タッチのパスもドリブルで切り込むこともできる。この2人に簡単に前を向かせてしまうと、危険な位置でのファウルや最悪の場合はPKにもつながるため、ボランチの選手が厳しくプレッシャーをかけ、CBと挟み込む状態を維持したい。

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