レアル戦でも「いつも通り」の鹿島。“白い巨人”に奢り見えるも、追い込んだのはその実力【西部の4-4-2戦術アナライズ】

18日、クラブW杯の決勝が行われ、一時は鹿島アントラーズにリードを許すも、逆転でレアル・マドリーが勝利した。欧州王者に隙があったのは確かだが、鹿島に地力があったからこそ彼らを追い込むことができた。このたび『サッカー 4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化』(カンゼン/12月21日発売)を上梓した著者が、このファイナルにおける両クラブの戦いぶりを読み解く。(文:西部謙司)

2016年12月22日(Thu)12時13分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ときどきのレアル、いつもの鹿島

鹿島アントラーズ
クラブW杯決勝、レアル・マドリー戦に臨んだ鹿島アントラーズのスターティングイレブン【写真:Getty Images】

 すべてのポジションに世界最高クラスの選手を揃えて、「どうだ強いだろう」というのがレアル・マドリーというチームである。

 選手たちのプライドは山よりも高く、タイトルと名のつくものはすべて獲って当たり前だと思っている。それはときに奢りとなって表れる。クラブワールドカップ決勝がそうだった。本気でなかったわけではないが、序盤にスイッチが入っていないのは明らか。鹿島アントラーズのせいではない。レアルはときどき、いや、ちょくちょくこういう状態になるのだ。

「気持ちに緩みがあるときは、ハーフタイムまでは修正ができない。ハーフタイムで修正できなければ試合終了までそのままになり、そうなるとたいがいは負ける」

 日本代表や横浜フリューゲルスなどを率いた加茂周監督がよく言っていた。レアルは危うくそうなりかけていた。日本のクラブに負けて「世界一」を取り逃がすなど、あってはならないことだ。今年一番の番狂わせとして世界中でニュースになり、白い巨人は赤っ恥をかくことになる。

 それが脳裏をかすめれば、大きなプレッシャーとしてのしかかってくる。状況はそうなっていた。が、さすがにレアルの選手は場馴れしていて動揺は小さかったようだ。決勝でほとんど失敗しないクラブでもある。ただ、そこまで追い込んだのは鹿島の実力だ。

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