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Jリーグ 7年前

G大阪・丹羽大輝の折れない心。3年間リーグ出場なしの若手時代に学んだ危機感の重要性【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Asuka Kudo, Getty Images

「育成年代の選手は絶対勉強したほうがいい」

――丹羽選手の話を聞いていると、つくづく気の持ちようが大きいですね。予想外の出来事、不測の事態に直面したとき、どう向き合うのか。

「瞬間的には、なんでやねんという感情が沸きます。大事なのは、そこから先」

――サッカー以外に対してもその姿勢は貫かれますか? 女の子にフラれても?

「フラれたことないですね」

――くっ。

「違うことでお願いしますわ。すんません」

――では、勉強は? 失礼ですが、得意そうには見えない。

「うちね、父親が厳しくて、勉強しなければサッカーをやらせないという家庭だったんです」

――わりとできた?

「わりとというか、だいぶいい感じに」

――お父さんは、お堅い仕事を?

「建築関係のサラリーマンで、将来はサッカー選手なんてとんでもないという考え。僕は大好きなサッカーをするために勉強をしていました。けど、いま考えたら、勉強もサッカーに生きている。サッカーは頭のスポーツですから。

 相手のフォーメーション、戦い方を分析し、どうやって崩し、守るのか戦略を立てる。考える力は大事です。数学の公式の当てはめ方に似通った部分も感じます。父親には非常に感謝していますよ。サッカーだけだったらいまの自分はない」

――監督の話を聞き、そこから重要な要素を抽出する能力も関係がありそう。

「相手の言いたいことがぱっとわかれば、効率が良くなる。聞いて理解でき、自分で考え、プレーで表現できるのがいい選手の条件です。だから、育成年代の選手は絶対勉強したほうがいい」

――とはいえ、中間テストや期末テストは大変だったでしょう。

「代表に招集されたときは1ヵ月くらい休むことになるので、それなりには。僕は、ガンバに通いやすい利便性を重視して、家から一番近くの公立、長野高校に受験して入ったんですけど、学校が理解を示してくれ、代表の期間も公欠を使うなど最大限のサポートをしてくれたんです」

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