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日本代表 7年前

C大阪・杉本健勇、満を持しての日本代表招集。悔しさを起爆剤に。進化続ける心技体

text by 藤江直人 photo by Getty Images

気になる海外移籍の動向。正式なオファーは?

 ヨーロッパの移籍市場が開いてから、幾度となくリーガ・エスパニョーラ1部のジローナへの移籍が取りざたされてきた。しかし、大熊チーム統括部長によれば、正式なオファーは届いていないという。

「何をもってオファーなのか、というところもありますけど、紙という形では来ていないので、我々が机上に載せて議論するまでには(至っていない)、という状況です」

 選手ならば誰でも、より高いレベルでプレーする環境を望む。杉本の場合はヨーロッパの舞台へのチャレンジとなるが、今月末で移籍市場が閉じる今夏においてはそのタイミングにないと判断しているのだろう。

 何よりもセレッソがJ1で上位戦線につけるだけではなく、YBCルヴァンカップは準々決勝、天皇杯では4回戦に勝ち残っている。いまだ無縁のタイトルを、手にできるチャンスが残されている。

「次の試合で借りを返したい。セレッソはYBCルヴァンカップを戦い、僕は代表に行くので舞台は違いますけど、次の試合にいまのこの悔しい気持ちをぶつけたい。リーグ戦はもう負けられないし、残り10試合を全勝するくらいの気持ちに切り替えてやっていきたい」

 浦和レッズとベスト4を争う準々決勝は、代表招集期間中の30日と9月3日に行われる。セレッソの勝利を信じて、日の丸を背負った戦いに臨む。お互いに最高の結果を出して、もちろん9月以降も一緒に戦いたい――自分自身とセレッソへのエールにも聞こえる、杉本流の決意表明でもあった。

 さあ、いよいよ幕を開けた、憧れ続けてきたA代表でのチャレンジ。胸を借りる、あるいはいい経験をする、といった類の感情はもちろんもち合わせていない。

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