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日本代表 7年前

C大阪・杉本健勇、満を持しての日本代表招集。悔しさを起爆剤に。進化続ける心技体

勝てば6大会連続6度目のワールドカップ出場が決まる、31日のオーストラリア代表とのアジア最終予選第9戦(埼玉スタジアム)へ向けて、ハリルジャパンが27日に埼玉県内で始動した。27人の代表メンバーのなかで唯一の初招集となるセレッソ大阪の大型ストライカー・杉本健勇(24)は、0‐1で苦杯をなめた26日夜の鹿島アントラーズとの首位攻防戦で募らせた悔しさを起爆剤にして、いままさに進化を遂げている心技体をさらにスケールアップさせていく。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

エースストライカーが背負う十字架の重さ

日本代表に招集されたセレッソ大阪の杉本健勇
日本代表に招集されたセレッソ大阪の杉本健勇【写真:Getty Images】

 ゴールを決めるか、決められないか。自身のパフォーマンスや結果が、そのままチームの勝敗にも直結する。エースストライカーが背負う十字架の重さをあらためて噛みしめながら、杉本健勇はモードをセレッソ大阪から日本代表へと切り替えた。

 27日から埼玉県内でスタートした日本代表合宿。初めて招集された24歳の成長株は心地よい高揚感と、どことなくモヤモヤした思いを胸中に同居させながら初日のメニューを終えた。

 悔しさにも置き換えられる後者の感情をたどっていくと、首位の鹿島アントラーズをホームのヤンマースタジアム長居に迎えた、前夜の26日に行われた明治安田生命J1リーグ第24節に行き着く。

 勝てば勝ち点が1ポイント差に縮まり、負ければ7ポイントに広がる首位攻防戦。杉本は前半17分、後半31分、そして37分と3度訪れた決定機をものにすることができなかった。

 セレッソも13本のシュートを放ちながら無得点に終わる。踏ん張っていた守備陣も後半43分、MFレアンドロにゴールネットを揺らされる。この時点で2位から4位に後退。首位の背中が遠のいた。

「非常に悔しい試合でした。前の選手が点を取らないと勝てない世界なので。後ろが本当にハードワークしてくれていたので、かなり申し訳ないですけど……」

 一敗地にまみれた。昨シーズンの二冠王者がもつ勝負強さを思い知らされた。それでも、大きな爪痕も残した。アントラーズのディフェンスリーダー、日本代表の昌子源は試合後にこんな言葉を漏らしている。

「やっぱりすごい相手だな、とあらためて感じました」

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