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日本代表 6年前

日本代表、スイス戦はW杯本番への試金石。長友佑都に課された「地獄」の制圧ミッション

text by 元川悦子 photo by Getty Images

スイス戦はW杯前哨戦。左サイドの攻防が鍵を握るか

「シャキリとは個人的に連絡を取り合っていて仲が良かったんで、楽しみではありますね。彼は左(足)を持っているからカットインさせてシュートさせると特徴が出てしまう。そこは消しにいきたい。ただ、シャキリだけじゃなくて、(シュテファン・)リヒトシュタイナー(ユベントスからアーセナルへ移籍)がどんどん上がってくるし、メチャクチャスプリントしてくる。1対2の状況を作られる可能性もあるんで、そこでどういう対応をするのか。難しい状況になると思います」と長友は守りのポイントを脳裏に深く刻み込んでいる。

 日本の左サイドは宇佐美とのタテ関係になりそうだが、2人の間でマークの受け渡しがうまくいかないと、相手に押し込まれ、決定的チャンスを作られてしまいがちだ。宇佐美も以前より守備意識を高めているものの、ドイツ・ブンデスリーガ2部の相手とはクオリティが違う。だからこそ、長友が背後から宇佐美を的確に動かし、強固な守りへと導くことが求められてくる。

 慣れ親しんだ4バックで戦う以上、先月30日のガーナ戦のような不安定さやぎこちなさを露呈することは許されない。「ピッチ内外でいいコミュニケーションが取れているので、不安はない」と前向きに語った長友にはピッチ上で堅守を証明してもらうしかない。

 加えて言えば、スイス戦はあくまで前哨戦でしかない。もちろんスイスもロシアワールドカップ出場国ではあるが、長友が本番で対峙するであろうコロンビアのファン・クアドラード、セネガルのサディオ・マネ、ポーランドのヤクブ・ブワシュチコフスキはシャキリと同等かそれ以上の実力を秘めたアタッカーばかりだ。

「(左サイドは)もう地獄だらけなんで(苦笑)。でも自分の中でもこういう難しい状況の方が燃える。今までも何度も『長友はもう厳しいんじゃないか』と言われてきましたけど、そのたびにそれを反骨心にして、這い上がってって気持ちでやってきた。むしろ難しい状況の方がワクワクするし、楽しみでもあります」と長友はまずはシャキリ封じをキッチリ果たし、弾みをつける腹づもりだ。

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