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吉田麻也は日本の欠点を補う武器。世界基準の高さと強さ、決定力不足解消の切り札に【西部の目/ロシアW杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

プレミアリーグで2番目に速い?

 2016/17シーズン、英紙『デイリー・ミラー』によると、吉田はプレミアリーグで2番目に足の速いCBだそうだ。プレミア最速ランキングでも8位、何と俊足で有名なFWセオ・ウォルコット(当時アーセナル)と同じ速さだったという。読者の85%がこの結果に「ショックだ」と答えているそうで、英国人にもかなり意外だったようだ。

 ただ、サウサンプトンではSBに起用されたこともある。SBはスピードがなければ務まらないポジションだから、ロナルド・クーマン監督(当時)も吉田は速いと思っていたのかもしれない(ちなみに現役時代のクーマンは遅い名CBとして有名だった)。

 しかし、吉田の弱点をあげるならスピードになる。速さが原因でないとしても、広いスペースがカバーするときにやや難がある。これは2010年ワールドカップでの代表史上最強コンビ、田中マルクス闘莉王と中澤佑二も同じだった。あのときはそれほど高いライン設定をしなかったので弱点が出なかったのだ。

 吉田を守備の中心とするなら、やはり高すぎるラインは得策ではない。ワールドカップのような接戦基調の大会でまず大切なのは失点しないことであり、アタッカーよりもDFの都合が優先される。

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